beacon

[選手権]攻守の要欠いても盤石の勝利、室蘭大谷が完封発進

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.31 全国高校選手権1回戦 室蘭大谷2-0四日市中央工 柏の葉]

 第89回全国高校サッカー選手権は31日、各地で1回戦を行い、柏の葉総合公園競技場では3大会ぶり29回目の出場となった室蘭大谷(北海道)が四日市中央工(三重)に2-0で快勝した。来年1月2日の2回戦では前橋育英(群馬)と対戦する。

 守護神のGK佐藤裕輔(3年)、エースのFW安藤瑞樹(3年)という攻守の要2人を負傷で欠いた室蘭大谷。「3年ぶりの出場なので、選手にとっては初出場みたいなものだった」が、そんな及川真行監督の心配も杞憂に終わった。

 立ち上がりから出足の早いプレスで四日市中央工のパス回しを封じ、高い位置でボールを奪ってはショートカウンターを仕掛け、相手を押し込んだ。前半18分にはMF山田秀之(3年)からパスを受けたMF石川勝智(3年)がゴールまで約30mの距離から右足でミドルシュート。これが豪快にゴール右上に突き刺さり、幸先良く先制した。

 前半37分にはゴール前の混戦からピンチを招き、四日市中央工のFW山口幸太(3年)に決定的なシュートを打たれたが、GK中西健太(2年)が足でセーブ。選手権道大会では出番のなかった中西だが、「国体にも選ばれているし、力も経験もある」(及川監督)という2年生GKのビッグセーブで流れを相手に渡さなかった。

 後半立ち上がりにはラッキーな形で追加点が生まれた。左CKのチャンス。石川が素早くMF小玉翼(3年)にショートコーナーでつなぐと、フリーの小玉が左足でクロス。ゴールライン方向に流れるミスキックとなったが、前に出ていたGKをあざ笑うようにそのままニアサイドのゴールネットへ。運も味方に付け、2-0とリードを広げた。

 何とか反撃したい四日市中央工だが、後半8分のMF杉田健臣(3年)のミドルシュートもGKの正面。室蘭大谷のハイプレッシャーに苦しみ、なかなかチャンスをつくれない。結局、後半のシュートはこの1本のみ。後半34分、杉田の左FKにFW太田尚志(3年)が頭で合わせ、ゴールネットを揺らしたシーンもオフサイドだった。

 2-0の完封勝利を飾った室蘭大谷。札幌入団が内定しているDF櫛引一紀主将(3年)は「押し込まれた時間も後ろ4枚が体を張って失点しなかったのはよかった。(四日市中央工の)ビデオを見て、イメージはあった。サイドを起点につくってきたけど、中で対応すれば大丈夫だと思っていた」と胸を張った。

 選手権道大会も4試合で許した失点は決勝の2点のみ。それもPKとオウンゴールによるものだった。2回戦の相手は前橋育英。キーマンであるMF小島秀仁(3年)に対しても櫛引は「一発で裏を狙うパスを持っているけど、後ろでしっかりマークできていれば問題ないと思う」と自信を見せていた。

[写真]前半18分、先制点に沸く室蘭大谷の選手たち

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

TOP