beacon

[MOM537]尚志MF山岸祐也(3年)_「地震に負けない」決意の全国5戦連発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 尚志2-1守山北 ニッパ球]

 大舞台で力を発揮する。尚志(福島)のMF山岸祐也(3年)が全国大会5戦連発となる決勝点を決め、チームを3大会連続の16強へ導いた。「山岸は決めなきゃいけないところの匂いを分かっている。彼のサッカーセンスだと思う」。仲村浩二監督も絶賛する司令塔が1得点1アシストと大暴れだ。

 前半3分、左CKがファーサイドまで流れてきたボールを山岸がDFに囲まれながらキープ。強引に突破し、ゴールライン際からの折り返しをDF峰島直弥(3年)が右足で押し込んだ。前半16分にセットプレーから追いつかれたが、その2分後の左FK。MF金田一樹(3年)のキックに山岸がニアサイドに飛び込み、ヘディングシュートを叩き込んだ。

「(金田)一樹と目が合ってニアを要求した。後藤(拓也)にニアを空けてくれと声をかけて、ニアに飛び込んだら一樹からいいボールが来た。入ってよかった」

 8強入りした夏の全国高校総体では、1回戦から立正大淞南に敗れた準々決勝まで4戦連発。このゴールで全国大会5戦連発となった。「連続ゴールとかは気にしないけど、毎試合得点に絡めたらいいと思っている」というゲームメイカーはスルーパスでもチャンスを演出。「ゴールもうれしいだけど、前に2人速い選手がいるし、パスのほうを見てほしい」と、抜群の得点力とパスセンスを兼ね備えている。

 昨年3月11日に起きた東日本大震災。未曽有の震災に直面しても「尚志でサッカーをやる」という決意は揺らがなかった。「入学したときから、この仲間と全国制覇したいと思い続けてきた。地震に負けずにサッカーをやろうと思った」。震災直後に選手の一人がサッカー部を退部したものの、約1か月後には戻ってきた。「一人も辞めることなく、みんなの気持ちが一つになった。全国優勝の目標は変わっていない」と強い決意を口にする。

 あこがれの選手はロナウジーニョ。「見ていて楽しいし、何をするか分からないから」。変幻自在のテクニシャンを目指す背番号9は「明日も絶対に勝って、尚志の歴史を塗り替えたい」と、同校初のベスト8を懸けた桐光学園(神奈川)との3回戦へ気持ちを切り替えていた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2011

TOP