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[選手権]大迫以来の6戦連発狙う“三重のネイマール”四中工・浅野「単独得点王じゃないと気が済まない」

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 “三重のネイマール”が6戦連発で単独得点王&初の単独Vを狙う。四日市中央工(三重)のFW浅野拓磨(2年)は今大会、1回戦から5戦連発中。通算6得点でチームメイトのFW田村翔太(2年)と並んで得点ランキングトップタイに立っている。

「1試合1点は取れているけど、もっともっと取れる場面があった。成果というより課題のほうが大きい」。5戦6発にも納得しない2年生エースは9日の市立船橋(千葉)との決勝に向け「優勝もして、得点王も取りたい。田村も1点は決めてくると思うし、それ以上決めたい。単独じゃないと気が済まない」と意気込む。91年度大会で帝京(東京)と両校優勝を飾った四中高の歴史を塗り替える初の単独優勝を、自らの単独得点王とともに彩るつもりだ。

 昨年12月中旬の御殿場合宿では市立船橋と練習試合を行い、1-2で敗れたものの、浅野はドリブル突破から1点を決めている。市立船橋守備陣は浅野のスピードを警戒しているが、「あの場面はたまたま抜けていっただけ。それ以外の場面では、ボールを持ったらガツガツ来たし、プレスも速くて、自由にできなかった」と表情を引き締め、「個人でいくより、ワンタッチで周りを生かして自分はゴール前に入っていきたい。はたいて自分が飛び出していくプレーのほうが市船には効くと思う」と“市船攻略”をイメージする。

 昨年11月19日の選手権三重県大会決勝前には、あこがれのブラジル代表FWネイマール(サントス)を意識して髪型も変えた。「今までは母に髪を切ってもらっていたけど、『決勝ぐらいはちゃんと切ってもらいなさい』と言われて初めて美容院に行った」という浅野は美容師にジェスチャーで髪型を伝え、中央部分を立たせるソフトモヒカンの“ネイマールカット”に変貌。「本当はもっと横を短くしたいんだけど……」と不満を口にしながらも、津工との県決勝では見事に1得点1アシストを記録し、4大会連続での全国選手権出場を決めた。

 ゲンをかつぎ、全国大会前にも同じ髪型に散髪。ネイマールを彷彿とさせるスピードを生かした力強いドリブル突破でゴールを量産してきた。6戦連発となれば、08年度大会のFW大迫勇也、FW野村章悟(ともに鹿児島城西)以来、3大会ぶりの快挙。「FWはみんな目立ちたがり屋」と話す強気のエースが、選手権の歴史にその名を刻み込む。

(取材・文 西山紘平)

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