beacon

[大学選手権]涙の敗戦…慶大GK峯は後輩へ「言葉にして残すものは何もない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.14 大学選手権2回戦 慶應大0-3阪南大 BMWス]

 溢れる涙が止まらなかった。慶應義塾大は阪南大に0-3で敗れ、2回戦での敗退が決まった。試合後、ゲームキャプテンを務めたGK峯達也(4年=桐光学園高)は涙を流し、時に言葉に詰まりながらも後輩たちへの思いを語った。

「今年は残留やインカレ出場を目標にやってきて、3年ぶりにインカレへ出場できた。僕たちが後輩たちへ言葉にして残すものは何もなくて……それぞれがこの1年間で感じたことを来年に活かしてくれればいい。そして、日本一を取ってくれれば」

 『失点ゼロ』と守備へ重きを置いた今季の慶大。この日も5-4-1システムを敷いたが、阪南大の強力な攻撃陣を止めることはできなかった。それでも4年生で先発したMF川田悠介(4年=桐蔭学園高)やMF浅間翔太(4年=暁星高)、MF山浦新(4年=東京Vユース)らは、3点ビハインドのなか、最後まで諦めずに攻め続けた。

 その姿を後方から支え続けた守護神は「4年生は辛い時間や後半も本当に良く走ってくれて……」と振り返ると、再び涙した。力の差をみせつけられての3失点敗戦となったが峯は「チームが持つ力は100%を出すことができた」と話すと、FKでの失点シーンについては「僕の責任です」と敗戦のすべてを背負い込むように唇を噛んだ。

 主将であるFW増田湧介(4年=清水東高)を欠いた慶大。それでも4年生を中心に団結すると、初戦を突破し、2回戦まで駒を進めた。慶大の須田芳正監督は「かつてインカレ出場は10年に一度だったが、最近は3年に一度出場できるようになっている。これは成長している証明だと思う」と話すと、「シーズン当初から4年生がまとめてくれて納得のいくシーズンだった」と1年間を振り返った。

 プレーオフで勝ち抜いて手に入れたインカレ出場。そしてチーム全員で成し遂げた初戦突破。8強入りはならなかったが、後輩たちへ「日本一」への思いは引き継がれた。峯は言う。「今年の4年生は誰がキャプテンとかではなく、みんながチームを引っ張ろうとよくやってくれた」。先輩たちの背中を見てきた後輩たちへ思いは託された。

(取材・文 片岡涼)
▽関連リンク
第63回全日本大学選手権特設ページ

TOP