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[大学選手権]「PK戦で負けない」流経大…昨季王者・大体大を下して4強入り

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12.16 大学選手権準々決勝 流経大1-1(PK5-3)大体大 町田市立]

 第63回全日本大学サッカー選手権大会準々決勝が16日に各地で行われ、町田市立陸上競技場では、流通経済大(総理大臣杯)と大阪体育大(関西4)が対戦した。90分間をスコアレスで終えた試合は延長に入ると、ともに1点ずつを奪い合い決着はPK戦へ。迎えたPK戦、1人が外した大体大に対して5人全員がネットを揺らした流経大が勝利を収めた。昨季王者を下した流経大は第57大会以来、6年ぶりの準決勝進出を決め、決勝進出を賭けてびわこ成蹊スポーツ大と対戦する。

 立ち上がりは大体大がセットプレーから好機を作った。しかし前半3分、DF坂口豪(4年=C大阪U-18)のパスを受けたMF池上丈二(2年=青森山田高)が狙おうとするもDFのブロックに遭い、直後にはDF山口幸太(4年=四日市中央工高)がミドルシュートを放ったがジャストミートしなかった。

 すると、徐々に流経大が主導権を握り始めて立て続けにシュートチャンスを迎える。前半18分にDF今津佑太(1年=流経大柏高)のサイドチェンジを受けたMF中村慶太(3年=流経大柏高)がDFをかわして放ったシュートはGK村上昌謙(4年=草津東高)にセーブされ、同26分にDF湯澤聖人(3年=流経大柏高)のクロスから中村が合わせたダイビングヘッドは枠外に。さらに同33分には左サイドから回ってきたボールからMF森保圭悟(3年=広島ユース)が強烈なミドルシュートを放つも、再び村上に阻まれてネットを揺らすには至らなかった。

 スコアレスで迎えた後半も攻める流経大、守る大体大の構図は変わらない。攻勢を掛ける流経大は後半28分に森保のFKからチャンスを作り、MF森永卓(1年=流経大柏高)が至近距離からシュートを放ったが、またもや村上に防がれてしまう。その後もDF坂本修佑(4年=初芝橋本高)とDF羽田昇平(1年=金光大阪高)の2CBを中心とした大体大を崩し切れず。大体大はボランチのMF山田貴文(4年=日章学園高)とMF太田賢吾(1年=川崎F U-18)も最終ラインまで下がるなど、体を張った守備で90分間をスコアレスでしのぎ切った。

 迎えた延長前半5分、ついに均衡が破れる。スコアを動かしたのは、ここまで押し込まれる時間帯が続いていた大体大だった。左サイドから中央に切れ込んだ山田のスルーパスに反応した途中出場のMF中村優仁(3年=流経大柏高)が鮮やかに流し込んで、先制に成功。しかし、延長後半1分に流経大がCKの流れからDF鈴木翔登が放ったシュートのこぼれ球を、こちらも途中出場のMF江坂任(4年=神戸弘陵学園高)が蹴り込んで試合を振り出しに戻した。

 その後、大体大が好機を作り、延長後半7分には左サイドからのクロスをFW澤上竜二(3年=飛龍高)がヘディングで合わせるもGK中島宏海(3年=筑陽学園高)に弾き出され、同10分の坂口のミドルシュートも中島にセーブされ、1-1のまま延長後半終了を迎えた。

 試合を優位に進めながらも先制された流経大だったが、同点に追い付いたことでベンチには焦りはなかった。中野雄二監督が話す。「ウチはこの2年間のPK戦での負けはありませんでした。PKの練習も毎日やってきましたし、PK戦になれば絶対に勝てる自信がありました。もちろん勝ち越し点を奪いたい気持ちもありましたが、『同点なら、そのままでもいい』という心理が、選手たちを冷静にさせたのかもしれません」。

 その言葉どおり、迎えたPK戦で大体大が1人外したのに対し、流経大は5人のキッカー全員がきっちりネットを揺らして勝利を収めた。昨季王者を下して準決勝に駒を進めた中野監督は「チャンピオンである大体大さんに勝利できたのは、もちろんうれしいですけど、まだ優勝したわけではありません。ウチはインカレでは決勝に残ったことがありませんので、次の準決勝が鬼門。次に向けて最大限の準備をしたい」と初の決勝進出へ向けての意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)
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