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[大学選手権]福岡大に粘り勝ち、びわこ成蹊スポーツ大が初のベスト4進出

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[12.16 大学選手権準々決勝 福岡大1-1(PK5-6)びわこ成蹊 町田市立]

 第63回全日本大学サッカー選手権大会準々決勝が16日に各地で行われ、町田市立陸上競技場では、福岡大(九州2)とびわこ成蹊スポーツ大(関西2)が対戦した。1点ずつを奪い合って迎えた延長戦にスコアは動かず、PK戦へと突入する。迎えたPK戦でも死闘が繰り広げられるが、びわこ成蹊が6-5の勝利を収めて初のベスト4進出を決めた。18日に行われる準決勝で流通経済大と対戦する。

 序盤からゴールを脅かしたのは福岡大だった。前半5分にCKの流れからDF大武峻(4年=筑陽学園高)、同6分にMF川上竜(2年=福岡U-18)がシュートを放ったがともに相手にブロックされてしまう。さらに同9分には右からのクロスをFW薗田卓馬(3年=鹿児島城西高)がドンピシャのタイミングでヘッドで合わせるが、シュートはクロスバーを叩いた。

 すると、福岡大の攻撃をしのいだびわこ成蹊が先制点を奪取する。前半14分、DF中村謙吾(4年=立正大淞南高)のスルーパスに反応したMF熊田克斗が狙ったシュートはGK永石拓海(1年=高川学園高)にセーブされるが、その流れからもう一度チャンスを作り、FW久保賢悟(3年=G大阪ユース)が送ったグラウンダーのクロスをMF田路大樹(2年=立正大淞南高)が蹴り込んだ。

 ここから福岡大が猛攻をかけるが、前半31分に薗田が放ったシュートは相手のブロックに遭い、同41分に川上のFKを大武がつないだボールをMF木本恭生(3年=静岡学園高)がヘディングで狙うもGK宮崎正明(2年=社高)に阻まれて同点ゴールは生まれない。

 1-0とびわこ成蹊がリードを保って迎えた後半も、福岡大が主導権を握って試合を進めるが、後半7分にFKの流れから大武がネットを揺らしたシュートはオフサイドの判定に取り消されてしまう。ここで、福岡大ベンチが動いた。同12分、FW山崎凌吾(4年=玉野光南高)とFW中野圭一朗(3年=岡山芳泉高)を同時投入して、攻勢を強めようと試みる。

 びわこ成蹊大は2CBの中村とDF宮大樹(1年=清明学院高)を中心に集中した守備を見せ、ボランチのMF三橋拓也(4年=県立西宮高)とMF嘉茂良悟(2年=藤枝明誠高)も激しく相手選手に体を寄せて福岡大から自由を奪う。そして後半26分のMF田村友(4年=九州国際大付高)のヘッドを守護神の宮崎が防ぎ、同27分に川上のクロスから田村に放たれたヘディングシュートはクロスバーに助けられ、そのこぼれ球に飛び込んだ山崎のシュートには再び宮崎が反応してゴールを許さない。

 どうしても、びわこ成蹊ゴールをこじ開けられない福岡大だったが、後半33分に同点に追い付く。MF稲葉修土(3年=立正大淞南高)が右サイドから上げたクロスは相手DFにクリアされるが、こぼれ球に反応した田村が右足を一閃。地を這うような豪快なシュートがネットを揺らして1-1と試合を振り出しに戻した。さらに同34分には山崎が左サイドを突破してPA内に侵入するも、シュートは宮崎に阻まれてしまった。その後、スコアは動かずに延長戦へと突入する。

 勢いは福岡大にあったが、びわこ成蹊の望月聡監督は慌てていなかった。「後半が終わって選手たちが戻ってくるときに顔色を見て、落ち込んでいるようだったら声を掛けようとしましたが、すごい良い声が出ていたんです。それを見て『大丈夫だ』と確信したので私からは声を掛けませんでした」と語っている。

 延長戦も攻め込まれる時間帯が長かったびわこ成蹊だが、延長前半8分の山崎のシュートを宮がブロックし、こぼれ球に反応した山崎に再び狙われるも、何度も危機を救ってきた宮崎がまたもや立ちはだかる。延長後半にもゴールを脅かされながらも体を張った守備でしのぐと、PK戦へと持ち込んだ。PK戦でも9人までもつれ込む死闘となったが、9人目の相手キッカーが外したのに対し、DF柳田健太(1年=熊本ユース)がきっちりネットを揺らし、6-5として勝利を収めた。

 PK戦を振り返った望月監督は「何もできないのでハラハラするしかありませんでした」と苦笑したものの、「同点に追い付かれたときに崩れるチームは多いけど、このチームなら大丈夫だと期待を持っていました。あれだけ激しく勢いのある攻撃をよくしのいでくれました」と接戦を制した選手たちを褒め称えた。

(取材・文 折戸岳彦)
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