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[大学選手権]夏冬連覇へ王手!!「仲間を笑顔に…」流通経済大が4発勝利で初の決勝進出

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[12.18 大学選手権準決勝 びわこ大0-4流経大 味フィ西]

 全日本大学選手権の準決勝が18日に東京・味の素フィールド西が丘で行われた。第2試合ではびわこ成蹊スポーツ大(関西2)と流通経済大(総理大臣杯)が対戦。流通経済大が4-0で勝利し、夏の総理大臣杯制覇に続いての日本一へ王手をかけた。一方、初の決勝進出を目指したびわこ成蹊スポーツ大(以下、びわこ大)は決勝進出ならず。関西勢同士の決勝戦は実現しなかった。

 5回目の正直となった。試合後、流通経済大の中野雄二監督は「やっとファイナルに立つことができた。本当に嬉しい。もう人生でタイトルは取れないと思っていた」と言うと笑顔をみせた。多数のプロ選手を輩出し、過去には4度も冬の大学選手権で4強入りを果たしてきた流通経済大だが、いずれも4強止まり。今回、5度目の準決勝でようやく勝利を手に入れ、初のファイナル進出を果たした。「インカレを取ることだけのために1年間を費やしてきた」と話す指揮官は「今日までは順調にきている」と表情を緩ませた。

 この日の流通経済大はMF中村慶太(3年=流通経済大柏高)とMF森永卓(1年=流通経済大柏高)をメンバーから外し、ベンチ入りもさせず。「完全に身体を休ませよう」(中野監督)と連戦を見据えての先発メンバーとなった。

 試合は前半20分に動く。左サイドから攻め込むと、DF鈴木翔登(4年=流通経済大柏高)が左クロス。ゴール正面のFW江坂任(4年=神戸弘陵高)が競り勝つと、最後は詰めていたMF渡邉新太(1年=新潟ユース)が頭で押し込み、流通経済大が1-0と先制に成功。そのまま前半を折り返した。

 迎えた後半、流通経済大は一気に3点を追加。ここまで国士館大、福岡大を破ってきた、びわこ大を寄せ付けなかった。まずは後半18分、左サイドスローインから鈴木のボールをゴール前右で受けた渡邉が右足で押し込み、2-0と差を広げる。さらに同34分には江坂がゴール。相手ボールをカットしたMF山岸祐也(3年=尚志高)がドリブルで持ち込むと、これを受けた江坂が右足シュートを決める。ルーキーMFの活躍に負けじと4年生FWが結果を残した。

 3-0とびわこ大を突き放し、勢いに乗った流通経済大は4分後の後半39分にもゴール。左サイドから仕掛けた江坂が右足を一閃。ミドルシュートを突き刺し、試合を決定付けた。試合は4-0のまま終了。ルーキーMF渡邉と4年生FW江坂が揃って2点を挙げての勝利となった。

 また、この日は守備陣も奮闘。ここまでの2試合では、いずれも失点していた守備陣だったが、鈴木主将を中心にびわこ大を完封。「1本もシュートを打たせない気持ち」(鈴木)で守り抜くと、今大会初の完封勝利を果たした。試合後、鈴木主将は「4年生だから『ラスト』の試合を頑張るというわけではなく、チームのために戦いたい」と強調。「チームの歴史を築くために。最後に仲間を笑わせてあげたいという気持ちで頑張りたいと思っている」と力を込めた。

 決勝戦の相手は関西学院大。今夏の総理大臣杯準決勝の再現となる。当時は0-0で迎えたPK戦の末にPK4-3で流通経済大が勝利しているが、中野監督は「0-0でPK戦だったので、まだ決着はついていない」と強調する。奇しくも決勝戦へ進んだ流通経済大と関西学院大は宿舎が同じ。中野監督と関西学院大の成山一郎監督は「この2チームが決勝のカードになるのでは」と話してきたといい、それが実現されることになった。悲願の優勝。そして夏・冬連覇へ。流通経済大が王手をかけた。

 一方、びわこ大は悔しい結果に終わった。流通経済大の13本を大きく下回る5本のシュートに終わると、4失点しての敗戦。前半立ち上がりは、MF熊田克斗(1年=立正大淞南)のドリブルから決定機を迎えるも決めきれず。熊田のループシュートがクロスバーを叩いた直後のプレーで失点。流れをつかみ損ねると、そのまま差を広げられ、後半はシュートを1本しか打てずに試合は終了。関西勢同士での決勝戦を目指したが、叶わなかった。

(取材・文 片岡涼)
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