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[MOM349]北陸大FW大澤敬(4年)_「ただ蹴っ飛ばすだけ」の一撃で同校初のインカレ白星引き寄せる

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 全日本大学選手権1回戦 北陸大1-0常葉大浜松 町田]

 値千金の決勝点を決めたFWは「たまたまです」と幾度も口にした。北陸大(北信越)は8日に行われた全日本大学選手権(インカレ)の1回戦で常葉大学浜松キャンパス(東海1)に1-0で勝利。FW大澤敬(4年=浦和東高)が後半6分に決めたゴールが決勝点となり、同校史上初のインカレ白星を手に入れた。

 こう着状態だった一戦。後半6分に試合は動く。中央からMF越博康(4年=作陽高)のパスを受けたFW金睦燦(3年=F東京U-18)がドリブル突破。ゴール前混戦から最後は大澤が右足で押し込んだ。これが決勝点となり、北陸大は1-0で勝利した。

「ああいうのは基本的には入らない。今日に限って入ったので良かったです」。殊勲のFWは笑顔をみせると、「ゴール前にこぼれたボールを俺がただ蹴っ飛ばすだけでした」と振り返った。「いつもは何も入らないんです」とおどけて話したFWだが、チームを歴史的勝利に導く価値あるゴールとなった。

 北陸大の西川周吾監督は「こぼれを押し込むのが得意で華麗なプレーというよりも、豪快なシュートなどが持ち味。自分の仕事を果たしてくれたという意味では今日は100点ですし、最後まで90分を通じて、そういうプレーをしてくれていたので、彼の良さが出るゲームだった」と大澤を労った。

 4年生の大澤は今大会で負ければ引退となる。試合前から「最後なのでみんなと一緒に少しでも長く出来れば」と願っていたが、その願いを自らの足で叶えると、引退は“先延ばし”になった。背番号8は「まずはまた2日(引退が)伸びてよかった」と微笑んだ。

 3年連続3回目のインカレ出場となった北陸大だが、過去2大会は初戦敗退。3度目の正直とばかりに今大会で常葉大浜松を下すと、待望の勝利を手に入れた。大澤は「やるからには優勝」と先を見据えてキッパリ。2回戦は昨季王者・流通経済大(関東4)との対戦となるが、「一つ一つを全力で戦っていくのみ」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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