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[大学選手権]GPS効果で走力UP!鹿屋体育大が福山大に5発大勝

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[12.8 全日本大学選手権1回戦 福山大1-5鹿屋体育大 柏の葉]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学サッカー選手権大会1回戦が8日に行われ、柏の葉公園陸上競技場の第1試合では、鹿屋体育大(九州2)が福山大(プレーオフ)に5-1で大勝。10日に阪南大と対戦する2回戦に駒を進めた。

 鹿屋体育大の貫録勝ちといったところだろうか。選手たちは試合序盤、初戦の難しさを感じたというが、まずは武器のセットプレーで流れを作り出す。前半8分、左サイドでCKを獲得すると、DFのクリアに遭うが、MF木佐貫毅(3年=神村学園高)がエリア外からシュート性のボールを中に戻す。これをセットプレーの流れで残っていたDF寺田匡史(4年=長崎北高)がコースを変えて流し込み、先制点を奪った。

 さらに前半20分、またも左サイドからのCKを獲得すると、MF松田天馬(2年=東福岡高)のクロスボールを主将MF中原優生(4年=佐賀東高)がヘディングで押し込む。今季九州リーグの得点王とアシスト王の黄金ホットラインが開通し、リードが2点に広がった。

 ただ、福山大も意地を見せる。前半40分に右サイドを抜けたMF國師龍也(3年=神村学園高)が右足でゴールを狙うが、GK馬渡洋樹(3年=東福岡高)に弾かれてしまう。しかしこのプレーで得たCK、右サイドからMF前原翼(3年=盈進高)がグラウンダーのクロスを蹴り入れると、國師が右足ワンタッチで合わせて流し込む。シュートはポストをかすめたが、勢いあるボールがゴールに吸い込まれていった。

 しかし、鹿屋体育大はこれ以上、福山大に反撃を許すことはなかった。後半開始と同時にFW森川和命(1年=熊本ユース)を下げてFW片井巧(2年=藤枝東高)を投入。さらに守備システムを4バックから3バックに変更。自チームに大きな変化を与えて、試合の流れを引き戻していく。

 すると後半20分、再びセットプレーから松田の右CKをDF藤山智史(3年=四日市中央工高)が頭で合わせて加点。同22分にはショートカウンターから裏に抜けた片井が、前に出たGKをあざ笑うかのようなループシュートを決める。トドメは同33分、ゴール前中央でボールを受けた片井が切り替えし、切り替えしでDFを外して、豪快に右足で突き刺した。

 鹿屋体育大が地力の差を見せて勝ち上がりを決めた。試合を振り返った青木竜監督は「点は積み重ねられるだろうなという印象は持っていました。結果が出てホッとしました」とまずは初戦突破に胸をなで下ろす。

 チームの特長が出た試合でもあった。鹿屋体育大は昨年4月からGPSシステムを使ったデータを活用。機器を肩甲骨のあたりに装着できるウェアを着て、選手個人の動きを数値化。価格は15個入りの1パックが350万円と高価だが、学校の支援もあり、徹底的に個人数値を調べて、短所克服に努めてきた。指揮官は「スプリントの回数とか距離がグングン伸びている。速攻の部分でGPS効果として出ている」と誇らしげに話した。

 次戦は関西第2代表の阪南大。警戒を強める相手で、すでに大会前から阪南大を想定した練習もこなしてきている。「準備としては出来ている。選手の質の差の部分をチーム力でカバーしたい」と意気込んだ青木監督。阪南大戦でも攻撃のキーマンと期待される松田も、「チーム力を前面に出して、勝負したい」と力強く話した。

 対する2年連続の出場となった福山大は、昨年に続き1回戦で姿を消すことになった。ただ昨年は奪えなかった得点や、後半43分にDF越智拓己(3年=大分U-18)がゴール正面から際どい直接FKを放つなど、チャンスも多く作った。吉田卓史監督は「全国で勝つことを想定した練習をしたい。そして来年また出場したい」とリベンジを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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