beacon

[大学選手権]守備不安の大体大がIPU・環太平洋大を完封…エース澤上は2発発進

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.8 全日本大学選手権1回戦 大阪体育大2-0IPU・環太平洋大 柏の葉]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学サッカー選手権大会1回戦が8日に行われ、柏の葉公園陸上競技場の第2試合では、大阪体育大(関西5)がIPU・環太平洋大(中国)を2-0で下した。大阪体育大は10日に行う2回戦で慶應義塾大(関東3)と対戦する。

「勝ったということは大きな成果だと思う」。坂本康博監督もまずは勝利に安堵した。

 大阪体育大は2年前のインカレを優勝。昨年も関西リーグを制するなど、実力を発揮していた。しかし今季はリーグ戦で大苦戦。前期は3位で折り返したが、後期はわずか2勝しか出来ず、後期だけに限れば成績は最下位。最終節で逆転して、インカレ出場圏内の通年5位に滑り込んだが、好調時とは程遠い状態でシーズンを終えた。

 不調の原因は明確だ。同じくインカレに出場している阪南大に6失点を喫するなどした守備。前期は10失点とリーグ1位の堅守をみせていたが、後期は3倍近い29失点と崩壊した。「攻めのDFが出来なくて、空回りした状態」。さすがの坂本監督もお手上げの状況だ。

 そんな中で迎えた初戦。さらにレギュラーCBの菊池流帆(1年=青森山田高)を負傷で欠く布陣だったが、個の力で勝る大体大は高いポゼッションを生かして、攻撃を仕掛けていく。決定機はなかなか作れずにいたが、前半28分、左サイドからMF久保田駿斗(4年=長崎日大高)がクロスを上げると、中でFW澤上竜二(4年=飛龍高、セレッソ大阪入団内定)が頭で合わせる。クロスバーに跳ね返ったが、こぼれ球を落ち着いて押し込み、先制に成功した。

 ただやはり守備が安定しない。特にFW梶山勝矢(2年=高知中央高)、後半開始と同時に投入されたFW春岡優宏(2年=大商学園高)の動きにDFラインがついていけない。梶山のFKの流れから春岡に右足シュートを打たれた場面では、GK野坂浩亮(3年=青森山田高)がビッグセーブで何とか弾きだす。直後にも春岡への裏一本のパスで抜け出されるが、前に出た野坂がしっかりキャッチし、何とか同点弾を許さなかった。

 そして後半32分、左サイドで得たCKをMF池上丈二(3年=青森山田高)が蹴ると、エース澤上がヘディングで合わせて加点。展開に余裕を持たせると、同38分にはFKを頭で合わせてゴールネットを揺らす。惜しくもオフサイドで取り消されたが、ようやく形を見出し、試合を終えた。

 中1日で迎える次戦は慶應義塾大が相手になる。この試合でも守備がポイントになりそうだが、澤上は「きょうも結構ピンチがあったので、もう少し守備の部分をチームとしてやっていきたい」と修正を誓った。

 対するIPU大は、カウンターから何度か大体大ゴールに迫る場面もあったが、シュートが3本に終わるなど、悔しい結果に終わった。そして、警戒していたはずの澤上に2得点を許してしまった。桂秀樹監督は「大体大はクロス、セットプレーがストロングポイントだった。ボールを大事にして仕掛けていくことが出来なかった」と唇を噛んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第64回全日本大学選手権特集

TOP