[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 全日本大学選手権1回戦 大阪体育大2-0IPU・環太平洋大 柏の葉]

　大学最後の大会に臨む大エースが、いきなり全開だ。FW澤上竜二(4年=飛龍高)は、前半28分に左クロスを頭で合わせると、クロスバーの跳ね返りを右足で押し込んで先制点を挙げる。さらに後半32分のCKの場面では、ゴール前の駆け引きに勝ち、フリーでヘディングシュートを決めて加点した。

　そして後半38分にはFKを頭で合わせる。ただ惜しくもオフサイドで取り消され、ハットトリックは未遂に終わる。「あれ、オフサイドでした?」。背番号10は苦笑いを浮かべ、悔しさを隠すことはなかった。

　2年前のインカレで得点王を獲得し、日本一に導いた大体大が誇る怪物もいよいよ最終学年を迎えた。卒業後の進路も決定。複数のJクラブからオファーが届いたが、「スカウトの人が熱心に声をかけてくれていた」などを理由にセレッソ大阪への入団を決めた。「セレッソの練習には一回も行ったことがない」。驚きの発言も自信の表れだ。

　しかし、すべては大体大で2年ぶりのインカレ制覇を成し遂げたあとのこと。左足に巻かれたテーピングも気持ちの強さを示している。徹底マークに遭い、最後は足を気にする様子も見せたが、ゲームキャプテンとしてフル出場した。「貫録?全然です」。2得点では満足しない。次戦、慶應義塾大の堅守相手にも真っ向から立ち向かう。

(取材・文　児玉幸洋)

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●第64回全日本大学選手権特集