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[大学選手権]「決定率の低さはナンバー1」も阪南大FW前田は繰り返し動き、狙い続けて逆転の2発!

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[12.10 全日本大学選手権2回戦 阪南大 2-1 鹿屋体育大 江戸陸]
 
 本人が「絶好のチャンスとか6本くらいあったんですけど、2本しか決められていない。2点じゃ足りないと思います」と猛省していたのも無理は無い。前半21分にはMF松下佳貴(4年=松山工高)の意表を突くラストパスで抜け出しながらも合わせる切ることができず。後半にも決定機を逸するシーンがあった。阪南大の須佐徹太郎監督も「決定率の低さはナンバー1でしょう」と首をひねるが、それでも今年1年間FWの軸として起用され続けてきたFW前田央樹(3年=福岡U-18)は動き出しを繰り返して2ゴールを奪った。

 まずは0-1の前半41分、MF重廣卓也(2年=広島皆実高)が浮き球で出したラストパスに反応して右足を振りぬき、同点ゴールを突き刺した。。重廣が一瞬つくった間でDFが食いつき、その瞬間を見逃さずに相手の裏を取る絶妙な動き。「最初足下で欲しかったんですけど、相手食いついてシゲ(重廣)がタメたところで裏が空いた。オフサイドかなと思ったけれど、後は決めるだけでした」と納得の同点ゴールを決めると、後半36分には右ロングスローを「信じていた」(前田)というCB甲斐健太郎(3年=立正大淞南高)が競り勝ち、流れてきたボールを頭でゴールへ叩き込んだ。「周りが、パス出してくる人が良すぎる」(前田)というように松下や重廣らチャンスメークするチームメートたちのレベルが非常に高い中、決定率こそ低くなっているものの、ブレずに繰り返し動くことでチームに2得点をもたらした。

 福岡U-18時代にはSBとして年代別日本代表候補にも選出。阪南大でもSBを務めた時期がある。だが「自分では点取りたいというのがある。サッカーは点取らないかんスポーツ。そこが一番注目される」とゴールを奪うことにこだわっている。中盤のパス回し、崩す部分はチームメートに任せて「最後の最後、いいところでだけもっていけばいい」という前向きなメンタルでゴールを狙い続けている。

 チームの目標は悲願の日本一。「そのためにも点取らないといけない」というストライカーが2得点で止まることなく、まだまだゴールを量産する。

[写真]後半36分、阪南大FW前田がこの日2得点目となる決勝点

(取材・文 吉田太郎)
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