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[MOM370]阪南大FW前田央樹(3年)_3試合連続2得点の“新怪物”

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.16 大学選手権 国士舘大1-3阪南大 BMWス]

 FW前田央樹(3年=福岡U-18)が、また2得点を挙げた。2回戦の鹿屋体育大戦で前後半1点ずつを奪い逆転勝ちに導くと、準々決勝の大阪体育大でも先制点を含む2ゴール。ただ、大会通算6ゴールに伸ばした21歳は、「FWは1試合で3点取らないといけないというのが、僕の中である。前半の最初のプレーで外しているので、申し訳ない」と反省の弁を述べた。

 飛躍の1年になった。昨季の阪南大はFW河田篤秀(現アルビレックス新潟シンガポール)がエースとして君臨した。前田も「エグい人やった。ゴリゴリさは比にならないくらいだった」と評するほどの大エースだった。しかし、体格も似ている河田のプレースタイルなどを研究。「河田君のいいところを盗んで、悪いところだけ排除して(笑)。今の僕があるのはそのおかげ」。今季は、卒業した河田が昨年のリーグ戦で挙げた18得点を上回る19得点を挙げて、阪南大をけん引した。

 さらに大きな刺激になっていることがある。前田はアビスパ福岡U-18出身。井原正巳監督を迎えたトップチームは今季、J2で3位になると、プレーオフを勝ち上がって、5年ぶりのJ1昇格を決めた。「結構、試合も気にして見てました」と嬉しそうに話す“古巣”の躍進。「ウェリントンからは前で収める能力とかが勉強になりました」と、助っ人ストライカーに自身を重ね合わせた。

 スポーツ一家に生まれた前田。父は陸上の幅跳びの選手、母はバスケットボール選手ということもあり、抜群の身体能力を受け継いでいる。得意なプレーも「クロスに合わせること」。身長は178cmと決して大きくはないが、「ジャンプ力はしっかり受け継いでいると思います」とハニカミながら笑顔で答えた。

 ガンバ大阪に入団する関西学院大FW呉屋大翔(4年=流通経済大柏高)、セレッソ大阪に入団する大阪体育大FW澤上竜二(4年=飛龍高)に続き、またも関西から現れた“新怪物”。インカレ得点王は、最高の肩書きになる。

(取材・文 児玉幸洋)
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