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[大学選手権]2大会連続決勝で出停、3度目の正直?神戸内定・関学大MF小林は待望の決勝へ

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[12.16 全日本大学選手権準決勝 明治大2-4関西学院大 NACK]

 3度目の正直だ。関西学院大(総理杯/関西1)は明治大(関東2)に4-2で勝利すると、2年連続の決勝進出を果たした。昨年の全日本大学選手権(インカレ)、今夏の総理大臣杯と過去の全国2大会の決勝では累積警告による出場停止となっていた関西学院大MF小林成豪(4年=神戸U-18)。しかし今大会は警告を受けておらず、18日の決勝戦でついに決勝戦のピッチへ立つ。

 「とにかくイエローはもらわないでおこう」と臨んだ小林。今大会の2回戦、準々決勝、そして準決勝で受けた警告はゼロ。「過去2回連続で決勝に立てずに迷惑をかけたし、その分は今回の決勝でという思いはありました」と胸の内を明かした。

 とはいえ、この日の明治大戦はU-22日本代表DF室屋成(3年=青森山田高)の対応に手を焼いた。同代表のカタール遠征から帰国直後ということもあり、「出てきても途中からだろう」と思っていたというが、室屋は先発。「上下に結構走ってくるので、ついていかないといけないし、タフな試合だった。とにかく勝ててよかった」と小林は胸をなでおろす。

 2-0で迎えた前半27分には攻め上がってきた室屋に突破を許して失点。「一発やられましたけど、SBと一緒に連携を取って、後半はやられなかったと思う」とも振り返った。実際に後半は押し込まれるシーンがあったものの決定的な場面はしっかりと全員守備で凌ぎ切っていた。

 関西学院大が3-2にして迎えた後半16分には、明治大が選手交代とともに、システムを変更。室屋が右WBにポジションを上げる3バックとなる局面があった。しかし、小林は気づいていなかったようで、「残り10分で気づいて、みんなに言ったけど。みんなはもう分かっていて。『何言っとん、こいつ』と思われていたかも」と苦笑する。

 前がかりに来る相手をいなし、1点差で逃げ切った関西学院大は3-2で勝利。2年連続の決勝へ駒を進めた。小林は先制点の起点となるクロスを入れたほか、決勝点となる3点目につながるボールをゴール前へ入れるなど、攻撃面でチームに大きく貢献した。

 19日の決勝戦はエースのFW呉屋大翔(4年=流通経済大柏高)が累積警告による出場停止となる。呉屋が警告を受けた瞬間は「やったな、こいつ。俺と一緒やな」と思ったという小林は、「呉屋のためにも優勝したいし、呉屋がおらんくて負けたというのは嫌」とプライドをのぞかせた。

 決勝戦の相手は小林と同じく来季のヴィッセル神戸入団を内定させているMF松下佳貴(4年=松山工高)が率いる阪南大だ。今季の対戦成績は3戦全勝。「3年間負けていない」ことから、印象は良いのかと思いきや、「全て呉屋が点を取って勝っているから(不在で迎える決勝は)イメージは悪いです」とキッパリ。「今年の対戦でも3回とも攻められて俺らが守っている。何で勝てているかわからないくらいに内容が悪い」と言うと、「みんな上手いし、松下佳貴からいいボールも来る」と未来のチームメイトである松下を警戒した。

 同校史上初の日本一獲得へ。負けるわけにはいかない。悲願の決勝を迎える関西学院大の8番は「阪南はリベンジと向かってくるけれど、それを上回りたい」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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