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大学を決めるのはインターハイの結果?法政大の前育出身者が語るリアルな話

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前橋育成高時代のエピソードを語った法政大の3選手

 冬の大学日本一を決める第65回全日本大学サッカー選手権(インカレ)が12月7日に関東近郊で開幕する。昨季決勝では関西勢が激突。関西学院大が阪南大を下して頂点に立った。シーズン集大成となるインカレで最後に笑うのはどこのチームか。

 ゲキサカ×全日本大学サッカー連盟のインカレ特別企画第2弾は法政大前橋育英高出身選手による鼎談の後編です。DF柳沢拓希(4年=前橋育英高)、MF上田慧亮(3年=前橋育英高)、FW青柳燎汰(2年=前橋育英高)の3選手が高校サッカーと大学サッカーの違いなど、前橋育英高時代を振り返りながら語ってくれました。
※前編はこちら⇒「関東の大学で優勝を争いたい」、“守備からのチーム”法政大が9年ぶりのインカレへ

――皆さんは高校サッカー選手権にも出場していますが、大学サッカーと高校サッカーの全国大会の違いはありますか?
柳沢:高校選手権の注目度はやばい。
一同:(笑)
上田:高校選手権はすごく緊張するというか、「始まったー!」という感じがします。お客さんもたくさん見に来るので、「これが選手権か!」と思っていました。そういう感覚でいうと、大学サッカーの全国大会にそこまでの緊張はないかな(笑)

柳沢:注目度的には違うけど、能力的には大学サッカーの方が上だと思う。
上田:大学サッカーの方が全然レベルが高い。
柳沢:注目度は低いけどね(笑)

上田:高校選手権で決勝まで行った人の意見はどう?
青柳:高校選手権はすごく観客が多かったんですけど、決勝ではもう慣れてしまって緊張はなかったです。それよりも、準々決勝のフクアリとか、最初の試合でも席が埋まっていることに緊張しました。でも今、自分の高校サッカー時代の映像を見ても全然質が低いと思います。大学サッカーの方が固い試合ですよね。高校サッカーは勢いでいけるけど、大学サッカーは考えてプレーしないといけない。

上田:拓希くん(柳沢)の代の時の高校選手権で出たんですが、初戦はすごく緊張していた思い出があります。でもその緊張感の中でプレーできるのは貴重な体験でした。
青柳:緊張とかするんですか(笑)?!
上田:緊張するよ。最近はしないけどさ!
柳沢:レベルが全然違うよね。

――皆さんにとっての高校選手権はどのような存在でしたか?
柳沢:俺は選手権に出たくて高校に行きました。出たくてというか、テレビとかで見ていて憧れるよね。
上田:選手権のために前橋育英高に行ったようなものです。
柳沢:応援してくれる人の前でプレーできるし。インターハイ(全国高校総体)よりも選手権の方が出たかった。大学を決めるためにはインターハイの方が大事だけど。
上田:選手権で活躍しても遅いし、大学を決めるのはインターハイの結果だね。でも、僕も選手権に憧れはありました。
青柳:サッカーをやっていたら憧れますよね。
上田:小学校、中学校の時に観に行ったりした。
青柳:俺はコタツに入って見ていました(笑)

上田:大迫選手(大迫勇也)のときに観に行きました。
青柳:俺も行きました。あれを観て前橋育英に入りたいと思いました。インターハイと選手権は報道陣の数が全然違います!
上田:インターハイは毎回場所が変わって地方でやるし。
青柳:夏のインターハイはサッカー以外にもいろいろな種目があるじゃないですか。でも選手権はサッカーだけだから、“THEサッカー”の大会という感じがします。
上田:あとは音楽がね。
青柳:あの音楽が流れたら絶対テンション上がります!

――高校時代の印象的なエピソードはありますか?
上田:青柳は選手権の時に、めっちゃ良いCKに合わせてダイビングヘッドをしたらボールが真上に飛んでいって……(笑) (山田耕介)監督が頭抱えてた(笑)
青柳:自分も悪いプレーをして落ち込んでいる時には毎回その映像見ますもん。あの時に比べたら楽。アレはやばいと思いました。
一同:(笑)
青柳:決勝(星稜戦)の延長で3-2で負けていて、決めていれば同点だったんです。入ったと思ったんですけど、いつの間にかボールが上に行っていて……。ベンチを見たら、山田監督がずっこけていて、「やっちゃった」と思って。今までで1番やばいです(笑)

 慧亮くん(上田)はインターハイの時に自分が点を取ってないのに1番喜んで、「上がっちゃダメ」と言われていた応援席に1人で上がってイエローカードをもらいました。だから勝ったのに、めちゃくちゃ怒られていました(笑)

上田:これ、言っていい? (応援席のある)塀に登っちゃダメだよ、っていうのをスタメンにしか言ってなかったの。でも俺はその時ベンチだったから途中から出て、延長で点が入って喜んで登ったらイエローもらって累積で(笑)
一同:(笑)
柳沢:俺の代の時だよね。それで慧亮が決勝に出られなくて決勝で負けて。
青柳:大事な選手だったのに。2年後の俺らの代まで言われていましたよ。「インターハイでこれはやるな」って映像を流して。
上田:あれが1番のやらかしですね。
柳沢:それは覚えいてる。
上田:でも俺、拓希くんの代の選手権の決勝で点を取っていますよ。
柳沢:それよりこっちの方が印象に残ってる(笑)

――前橋育英高時代を振り返っていかがですか?
青柳:結構上下関係が厳しくて、拓希くんとは話せなかったです。
柳沢:そんな?(笑)
上田:高校の時の方が厳しかったから。その時の拓希くんとの接し方と、法大に入ってからの接し方は全然違う。
青柳:絶対そうです!
柳沢:上下関係がなくなった。
青柳:特に拓希くんは、自分が1年生のときのキャプテンだったので、めちゃくちゃオラオラしていて本当に話せなかったです。
一同:(笑)
柳沢:めちゃくちゃ優しかったじゃん。
上田:オラオラはしてなかったけど、僕も話せなかった。
青柳:プレーで引っ張る感じがあって……。自分もトップチームにいた時に話す機会はあったはずなんですけど、全然話せなかったです。
柳沢:話したよ!(笑)

青柳:だから多分、拓希くんは当時の1年生の名前とか知らないですよ。
柳沢:そんなことない! 知っているよ(笑)
柳沢:あと高校と違うのは、大学では自由な時間が増えたこと。
上田:法大に関していえば、寮とグラウンドと学校が近いのでサッカーがしたい時にできるし、移動時間も無駄にならないのでそこが良いと思います。

――前橋育英高校での練習はいかがでしたか?
上田:今とは全然違いました。1学年60人くらいいるので多いです。
柳沢:水曜と金曜だけ4限までだったので。5、6限で分かれて練習したこともありましたね。
上田:火曜が走りでね(笑)
青柳:マジで走りが嫌でした。
柳沢:毎週火曜の10キロ走は本当にきつかったね。
青柳:毎回、どうやって隠れようか考えていました。
一同:(笑)
青柳:「雨降れ!」ってずっと願っていました(笑)
上田:冬になると日が沈むのが早くなって暗いから(笑)
青柳:トイレに行ったきり帰ってこないヤツとか、木の陰に隠れていて山田監督があっち見たらまた走り出すヤツとか(笑)
柳沢:何人かいたよね。
青柳:でも俺たちの代ではそれがバレて、グラウンドで走るようになりました。マーカーで200メートルを測るんですけど、みんながだんだん走りながら内側に蹴っているから150メートルぐらいになっていくんですよ(笑)
一同:(笑)
青柳:今考えると楽しかったですよね。
柳沢:キツイけど楽しかった。

――高校時代の大学サッカーの印象は?
柳沢:大学サッカーの注目度が低かったし、あまり知らなかったです。1部リーグ、2部リーグにこだわりはなかった。
上田:入ってから1部リーグと2部リーグの違いを実感しました(※上田選手は1年次、柳沢選手は2年次まで2部リーグに所属)。
柳沢:1回も見たことない。
上田:むしろ法大に入ると決まってから、親が法大のサッカーを観に行っていました。
青柳:僕は大学名も全然知らなかったです。

上田:駒大が蹴るサッカーっていうことだけ知ってました。
青柳:たしかに(笑)
上田:それ以外の大学がどういうサッカーをするかは全然知らなかったです。
青柳:ただ高校では2年生で試合に出ることはあり得ないことでした。だから拓希くんが2年生で大臣杯にボランチで出ていたのを知った時、どこの大学がすごいとかではなく、拓希くんがすごいと思っていました。『Twitter』で拓希くんが出ているの見ていました。
柳沢:ありがとう、ありがとう(笑)
青柳:高校の時は2年生が試合に出ることがあまりなかったです。
上田:1年生で出るとか本当にあり得なかったもんね。

――高校と大学でお互いに変わった点はありますか?
柳沢:生意気になった。タメ口ですもん。
青柳:好きの表れじゃないですか。
上田:そうです、そうです。
青柳:拓希くんは本当に優しくなりました。話しやすくなりました。
柳沢:元から優しかったよ。
青柳:プレー面はクレバーですよね。
上田:守備が強くなりましたよね。
青柳:手だけで止めてくるんですよ。強くなったと思います。更に磨きがかかっています。たまにやらかすけど(笑)
上田:やらかしは増えたかもしれない(笑)
一同:(笑)

青柳:慧亮くんは変わってないです。
柳沢:変わってないよね。
青柳:そのまま進化しましたね。キレキレです。
柳沢:パワーも全然伸びてないもん。
上田:パワーは伸びたよ!
青柳:シュートはマジでハエが止まります(笑) 右利きですけど左足のシュートを練習していて、左足がすごいです。
柳沢:右足の練習しろよ(笑)
青柳:右の方が弱くなりました。

柳沢:青柳は痩せた。
青柳:あざっす(笑) 連携は良いですよね。
上田:昔はFWでゴールゲッターみたいな感じだったけど、今は引いて作りの部分とかもやるようになって。
柳沢:チャンスメイクできるようになったよね。嬉しい、嬉しい?
一同:(笑)

――では最後に、改めてインカレへの意気込みをお願いします。
柳沢:インカレは1回も出場したことがないし、法大としても9年振りです。なおかつ今年は総理大臣杯に出場していないので、法大の名前を全国に知れ渡らせるためにも優勝したいです。個人としては優勝したいです。
上田:それ個人じゃないよ(笑)
一同:(笑)
柳沢:4年間やってきて最後の大会だし、この仲間とできるのも最後なので。あと、進路が決まっていないのでインカレで就職先を勝ち取りたいです。

上田:9年振りのインカレだし、上級生になったので試合に出る出ないに関わらず、自分が攻撃でチームを引っ張れるようにしたいです。後ろは4年生がしっかり守ってくれると思うので、前線は頑張って勝ちに繋げられればいいな、と思います。

青柳:ずっと、拓希くんたち4年生に試合で助けてもらったり、引っ張ってもらったりしてきました。インカレでは優勝することももちろんですけど、個人としてチームを勝たせられるようになりたい。得点や守備の面で献身的にしり、駆け引きや1対1で勝ったりとか、そういうところにこだわってやっていきたいと思います。

■インカレ1回戦(12月7日)
[江戸川区陸上競技場]
法政大 13:30 高知大

(協力 全日本大学サッカー連盟)

●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集
※別サイトへ移動します
全日本大学サッカー連盟公式サイト
Twitter:JUFA_soccer(速報)
instagram:全日本大学サッカー連盟

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