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3冠狙う明治大が6発好発進! 九州共立大に“完勝”も指揮官は気を引き締める

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総理大臣杯、リーグ戦に続く、3冠を目指す明治大が初戦を突破した

[12.10 全日本大学選手権2回戦 明治大6-0九州共立大 町田]

 第65回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は10日に2回戦が行われた。町田市立陸上競技場の第2試合では、J内定者を4人擁する総理大臣杯優勝校の明治大と、1回戦で全国初勝利を飾った九州共立大(九州3)が対戦。前日にJ2愛媛FC入団内定が発表されたFW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)の先制ゴールを皮切りに、明治大が前後半で3点ずつを奪い、6-0と完勝した。12日に行われる準々決勝では、大阪体育大(関西3)と対戦する。

「立ち上がりに失点してしまうと苦しくなるのですごく意識しました。良い距離感と守備の意識からしっかり入って、前向きな状態になったらしっかりアクションを起こすことを意識させました」。栗田大輔監督の指示に応えるように、夏の総理大臣杯と関東学生リーグに続く3冠を目指す明治大が立ち上がりから主導権を握ると、前半10分に先制に成功する。左サイドの高い位置でボールを受けたDF河面旺成(4年=作陽高)が、中央の動きに合わせてグラウンダーのクロスを送り、丹羽がこれを右足で合わせた。

 早々の先制点で勢いに乗る明治大は、攻撃の手を緩めことなく、セットプレーから立て続けにゴールネットを揺らす。前半16分、河面の右CKからゴール前でこぼれたボールを、この日センターバックで起用された水町政哉(4年=神戸U-18)が左足で押し込み、2-0。同29分には、左CKからニアに飛び込んだ丹羽がヘッドでそらし、MF土居柊太(3年=浜松開誠館高)が左足で決め、リードを3点差に広げた。

 劣勢の九州共立大は、夏のチャンピオン相手に引いて守る時間が続いた。それでも米山隆一監督が、「ちゃんと日本一を体感できるように、自分たちの差がどこなのか、ちゃんとわかるサッカーをしよう」と送り出した通り、押し込まれながらもボランチの田中功一(4年=佐賀学園高)を中心に、しっかりパスをつなぎ、縦に仕掛ける姿勢も崩さなかった。

 こうした九州共立大の奮闘もあり、明治大は3点目以降、試合を優位に進めながらも、前半終了間際に立て続けに枠に嫌われるなど、追加点を挙げられないでいた。「前半はもっと決められるシーンがありました。ああいうところを決めていかないとサッカーができない。ハーフタイムでそこをかなり話をしました」。そう指揮官に発破をかけられた明治大が、次にゴールネットを揺らしたのは後半24分だった。土居のシュートのクロスバーの跳ね返りをFW中村健人(1年=東福岡高)が冷静にゴールに流し込み、4-0とした。

 さらに明治大は後半28分、土居のシュートのこぼれ球を中村が押し込んで突き放すと、同42分にも右サイドからMF櫻井敬基(3年=藤枝東高)がグラウンダーのクロスを入れ、ゴール前に走り込んだボランチの柴戸海(3年=市立船橋高)が滑り込みながら合わせ、6-0。終わってみれば明治大は、24本のシュートを放ち、九州共立大から受けたシュートは0本、明治大のゴールキックも0本の完勝だった。

「サッカーにおいてこういうゲームは数少ないと思います。そういったことがあっただけに気を引き締めてやらないといけないですね」と振り返る明治大監督。準々決勝で対戦する大阪体育大とは、総理大臣杯の準々決勝で対戦しており、3-0で勝利している。しかし、慢心はない。「夏やったときよりも守備の意識が高くなっている。監督の件(坂本総監督が今季限りで退任)、夏のリベンジも含めてすごい気持ちで向かってくる」。リーグ戦で優勝を決めてから勝利がなかった(2分2敗)夏の王者・明治大。夢の3冠達成に向けて、大阪体育大のリベンジを跳ね除け、一気に頂点に駆け上がる。

(取材・文 清水祐一)
●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集

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