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「点を取るのは絶対だと思っていた」 愛媛入り発表の翌日に明治大FW丹羽詩温が決意の先制点

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愛媛入り発表の翌日にゴールという結果を残したFW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)

[12.10 全日本大学選手権2回戦 明治大6-0九州共立大 町田]

 強い気持ちを持って初戦のピッチに立った。前日9日に来季のJ2愛媛FC入りが発表されたFW丹羽詩温(4年=大阪桐蔭高)が、「点を取るのは絶対だと思っていた」試合で、チームを勢いづける先制点を決めるなど、6-0の完勝に大きく貢献した。

 プロ入りを目指して明治大を選んだ。だが、セカンドチーム行きを命じられたリ、なかなか出場機会を得られなかったり、悩んだ時期もあった。それでも4年生になってトップチームで試合に出場し、関東大学リーグではチーム最多の10得点を記録。ベストイレブンにも選出された。「これまでぼんやりしかイメージしていなかった進路を、徐々にプロでやっていくんだという覚悟が出てきた。その時にちょうど声を掛けてもらった」。

 プロに行くことを決意した丹羽のもとに、愛媛以外のJ2クラブやJFLクラブなどからもオファーがあったという。その選択肢の中から愛媛を選んだ。「チームが目指す方向として、ベースに明治大と近いものがあって、全員がハードワークをしていく中で、一人一人つなげていくというスタイルが自分にも合っているのかなと思った。あと、これから得点を取る部分が愛媛の課題だという話を受けて、その点において大きな期待をしていただいている」と、理由を明かした。

 そして、迎えた大学生活最後の大会。全日本大学選手権(インカレ)の初戦のピッチに立った丹羽は、「明治大の4年間でずっと、優勝が決まった次の試合だったり、周りの目が注目するときにどうプレーできるかが大事だと言われてきた」。だからといって気負いはなく、いつも通りのプレーで先制点を奪ってみせた。前半10分、左サイドのDF河面旺成(4年=作陽高)が、中央の動きに合わせてグラウンダーのクロスを送り、これを右足で合わせた。

「明治大として、サイド攻撃は一つの特徴。アキ(河面)は常に中の動きをギリギリまで見てくれているので、誰かがニアで走り込んだところを、僕はファーで待っておこうかなと思っていた。そこをアキがしっかり見ていてくれたので、あとはゴールに流し込むだけだった」。先制点が早い時間にとれたことで、明治大の攻撃はさらに勢いを増し、2-0の前半29分には、左CKからニアで頭でそらし、MF土居柊太(3年=浜松開誠館高)の得点をアシストした。

 1ゴール1アシストと活躍し、初戦の勝利にホッとした様子の丹羽。12日の準々決勝では、夏の総理大臣杯でも対戦した大阪体育大と対戦する。「総理大臣杯では、スコア(3-0)も内容も自分たちの思い通りにいったが、そのときのことは全く関係ないと思う。いつも通り一戦一戦を大事に戦っていくだけ」。そう前を見据える丹羽が、恩返しのゴールを決め続け、明治大をてっぺんに導く。

(取材・文 清水祐一)
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