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全治6か月を「気合」の3か月半で治した超人…阪南大FW前田央樹がインカレ2年連続得点王に意欲

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2年連続得点を狙うFW前田央樹(4年=福岡U-18)

[12.12 全日本大学サッカー選手権(インカレ)準々決勝 阪南大3-2順天堂大 味スタ西]

 昨年度のインカレ得点王が本領発揮だ。FW前田央樹(4年=福岡U-18)は1点差に迫った後半8分、MF山崎康太(4年=東福岡高)の折り返しに反応。右足で流し込み、値千金の同点弾を奪った。試合は阪南大(関西1)が2点ビハインドを跳ね返して逆転勝ち。11分間で3得点を奪っての逆転勝利を、エースは「冷静に自分たちのサッカーができた」と満足げに振り返った。

 大学生活の集大成を飾るべく臨んだ今季だったが、故障に苦しんだ。関西リーグの開幕4節で4得点と好スタートを切っていた前田だが、5月3日の練習中に負傷。「自分でシュートに行くときに捻ってしまった」。左足腓骨と足首の脱臼骨折で全治6か月という重症だった。

 しかし前田は「気合」の3か月半で治してみせた。後期リーグが始まる2週間前にチームに合流すると、後期リーグ開幕戦の大阪教育大戦ではベンチ入りも果たした。コンディション作りは簡単ではなかったが、後期リーグも2得点を挙げる意地をみせた。

「復帰直後は全然うまくいかなかったけど、焦らずに、しょうがないと思ってやっていた。最初からこの大会を目標にやっていた。だから結果が出て良かった」

 大学屈指の才能を誇る前田と言えど、卒業後の進路は決まっていない。就職活動は一切しておらず、卒業後もサッカーを続けることしか考えていない。「カテゴリーは関係ないと思っている。自分次第でよじ登って行けると思っているので、とりあえずどこでもいいので入りたいなと思っています」。

 同じように“就活の大会”と話していたライバル関西学院大のエースFW出岡大輝(4年=G大阪ユース)は今大会ですでに5得点を記録。ただ出岡率いる関学大は、準々決勝で敗退。前田が得点を積み重ねれば、追い抜くことも可能な差になった。「獲りたい」と目をギラつかせるインカレ2年連続得点王の肩書きが手に入れば、オファーは必ず舞い込んでくるはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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