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得点に繋げた日体大MF輪笠のMOM級のロングパス「自分の得意なプレー」

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後半32分のゴールをアシストしたMF輪笠祐士(3年=FC東京U-18)

[12.15 全日本大学サッカー選手権(インカレ)準決勝 大体大2-3日体大 町田]

 一本のパスで勝負を決めた。MF輪笠祐士(3年=FC東京U-18)は後半32分、DFラインからのボールをセンターライン手前で受けると、ゴール前までロングパスを蹴り入れる。そのボールは裏に走り込んだFW平川元樹(2年=札幌U-18)に合うと、日本体育大(関東3)の勝ち越しゴールになった。

 後半アディショナルタイムの点の取り合いによって、話題を持っていかれる形になったが、十分に印象に残るプレー。輪笠は「自分の得意なプレー。裏に落とすプレーは得意だと思っている。いままで関東リーグを含めて、なかなかFWとタイミングが合わなかったけど、最近は息が合ってきて、出せるようになった」と、会心のパスを振り返り笑顔を見せた。

 決勝の相手は筑波大(関東2)に決まった。昨年まではともに2部、そして昇格した今季は1部でしのぎを削るなど、どのチームよりも対戦経験が豊富で、勝手知ったる仲でもある。今季のリーグ戦の対戦は日体大が1勝1分で勝ち越しているが、総理大臣杯の関東予選であるアミノバイタル杯では7位8位決定戦を戦った際に2-5で大敗を喫した。その試合にフル出場していた輪笠も悔しい思いを十分に残している。

 決勝で日体大は今季の関東リーグで得点王を獲得したMF高井和馬(4年=千葉SCユース)を出場停止で欠く。今季のリーグ戦の直接対決で3得点を決めている高井の欠場は確かに痛い。鈴木政一監督が「グループで打開するサッカーに切り替えるしかない」と戦術変更を示唆するほどで、実際、日体大はアミノバイタル杯の大敗の際も高井を故障で欠いていた。

 ただ最後は気持ちの勝負。「和馬君のためにハードワークしないといけないと思いますし、和馬君のためにもという思いでみんなで力を合わせて頑張れればいい」と輪笠が話したように、エースの欠場をプラスに変えるしかない。「とにかくいつも通りのサッカーをして勝ちたい」。持ち前のアグレッシブさを貫き通し、日体大ブルーは35年ぶりの頂点を目指す。

(取材・文 児玉幸洋)
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