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得点ランク首位タイの筑波大FW中野が単独得点王&単独日本一へ意欲

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後半7分、筑波大はFW中野誠也が右足PKを決めて2-0

[12.15 全日本大学選手権準決勝 筑波大3-0阪南大 NACK]

 あえて真ん中に蹴り込んだ。筑波大は1-0の後半7分、相手ハンドで獲得したPKをFW中野誠也(3年=磐田U-18)が右足でゴールへ蹴り込む。これで2-0。試合の軸は関東の名門に大きく傾いた。

 中野は今大会は準々決勝までの2試合で計4ゴール。得点王争いを演じているストライカーだが、今季の関東大学リーグ戦ではPKに2度チャンレンジして2度とも外していたという。だが、この日は「きょうPKキッカー決まっていなくて、『蹴らしてくれるなら蹴らしてくれ』と言っていたら、『誠也で行け』と言ってくれたんで思い切って蹴ったという感じですね」。

 キック前には対戦相手の選手たちから集中力を乱す声が飛んでいた。「(全日本大学選抜でチームメートの阪南大)重廣から『真ん中蹴るぞ』『真ん中蹴るぞ』と言われていたんで、(じゃあ)真ん中蹴ってやるぞと」失敗することを考えず、あえて真ん中目掛けて右足を振り抜くと、ボールはゴールネットへ突き刺さった。

 チームが放った9本のシュートのうち、6本を放ったのが中野だった。持ち味である動き出しを繰り返すことでチャンスをつくり出したが、決定的なシュートがわずかにポストの右外へ外れたり、GKにセーブされたりで2点目を奪うことができなかった。「自分の力不足」と認めた上で、決勝では「狙っていきたい」と優勝&得点王の2冠獲得を誓う。

 中野は磐田U-18時代の11年国体少年男子の部で得点王に輝き、静岡県選抜の全国制覇に貢献している。だが、千葉県選抜との決勝は0-0のスコアレスドローで同点優勝だった。それだけに「あれは単独優勝ではなかったので、本当に単独優勝したいという気持ちが強いので、何が何でも取りたいという気持ちが強いですし、優勝の瞬間を味わいたい」。目標は何としても日本一を勝ち取ること、そして自身が勝利に貢献すること。筑波大にとって03年以来13年ぶりの全国制覇にエースが自らのゴールで華を添える。

(取材・文 吉田太郎)
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