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大体大は菊池が治療中に決勝点献上…「力不足を感じました」

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終了間際の同点弾も一瞬…大体大は直後の失点で決勝進出を逃した

[12.15 全日本大学サッカー選手権(インカレ)準決勝 大体大2-3日体大 町田]

 悔やんでも悔やみきれない失点になった。後半アディショナルタイム、大阪体育大(関西3)はMF池上丈二(4年=青森山田高)がPKを決めて同点に追いついた。しかし直前の競り合いで顔面を強打していたDF菊池流帆(2年=青森山田高)は止血のためにベンチ前で治療を行ったままだった。

 同点に安堵したわけではない。ただ同点とした直後のプレーで決勝点を献上。「流帆がいないのは分かっていた。チームとして延長に持ち込むためにはやるべきことがあったのかなと思います」。ヒーローになるはずだった池上は、そう声を絞り出し、目線を落とした。

 チームとして守ることが出来なかったと悔やんだのはキャプテンマークを巻いてプレーしたDF秋山拓也(4年=愛産大三河高)だ。後半17分にはFKを頭で合わせて同点弾を記録。ただチームとして2度の同点劇も勝利に繋げることは出来なかった。「一人少なかったことを言うと言い訳になるけど、あそこで集中を切らさずにできるチームが強いチームなんだと思います」。

 そしてチームで最後まで涙を流していたのが、菊池だった。「あそこで2点目が取れて、どうしても緩んじゃう時間帯だった。僕が締め直す時間が必要だったと思う。悔しいです」。鼻骨骨折の疑いがあるという鼻からは血が流れ続けていた。「自分の力不足を感じました」。大学サッカー界期待の大型CBは最後まで自らを責め続けていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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