[12.13 全日本大学選手権1回戦 仙台大 2-3(延長) IPU・環太平洋大 上柚木]

　有言実行の2ゴール、それでも目標には手が届かなかった。仙台大(東北1)のMF宮澤弘(4年=柏U-18)は敗退が決まった試合後、「勝利に導くゴールが決められなかった」と涙声で話した。この悔しさを晴らすべく、次のステージからのオファーを待ち続けている。

「最後は自分の右足に任せてください」。宮澤はIPU・環太平洋大(中国1)とのインカレ1回戦にあたって、試合前に全員で見るモチベーション動画にそのような言葉を収録したという。そうして臨んだ一戦、自らの言葉にふさわしい活躍は見せつけた。

　1点ビハインドの後半4分、左サイドからのクロスをトラップからのヘディングで決めて、まずは同点弾を奪取。さらに同14分、味方が倒されて得たPKを右足で冷静に流し込み、一人の得点で逆転劇を演出した。

　ところが、それまで圧倒していたはずのチームは後半29分に追い付かれると、宮澤がピッチを退いた後の延長後半8分にも失点し、まさかの逆転負け。「自分にとっては最後の大会だったので、優勝したいという思いで準備をしてきた。もう1点は取れたと思うので、敗因は自分の力の差」とチーム1の活躍を見せながら、自らを責めていた。

　インカレで活躍しなければならない理由は、チームの目標以外にもあった。「進路がまだ全然決まっていなくて、プロ志望なのですがオファーがない。そろそろ見切りもつけないといけないと思うんですけど……」。4年前に柏U-18をプレミアリーグEAST参入に導いたアタッカーは、人生の岐路に立っている。

　当時の同期にはDF中谷進之介(柏)ら、Jリーグで活躍している選手もおり、「良い刺激になっている」と話す。「この4年間で後悔があるとしたら、1年生からスタメンで使ってもらっていたのに、チームの結果で恩返しできなかったこと。だから、次のステージで活躍している姿を見せたい」。公式戦全日程が終わったいま、自らが4年間でたどってきた軌跡を頼りに誘いを待つ。

(取材・文　竹内達也)

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●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集