[12.16 全日本大学選手権2回戦 筑波大2-1常葉大学浜松キャンパス 夢の島]

　第66回全日本大学サッカー選手権(インカレ)2回戦が16日に行われ、前回王者の筑波大(関東1)は常葉大学浜松キャンパスと対戦し、2-1で勝利。18日の準々決勝では東京国際大(関東6)と戦う。

　今季の関東大学リーグの覇者として、また前回王者として連覇を目指す筑波大がインカレ初戦に挑んだ。リーグ得点王のFW中野誠也(4年=磐田U-18/磐田内定)、リーグMVPのMF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高/新潟内定)はベンチスタート。最前線にFW北川柊斗(4年=名古屋U18)を置く4-2-3-1の布陣を敷いた。

　また、東海リーグで最少失点を記録した常葉大浜松は主力に180㎝台の選手を5人揃え、高さで筑波大より優位に立つ。筑波大の小井土正亮監督は「どうしても高さがある相手だったので、セットプレーも含めて高さを揃えないと」と180㎝のDF小笠原佳祐(3年=東福岡高)を定位置のCBから右SBに配置し、185㎝のDF山川哲史(2年=神戸U-18)を最終ラインに起用した。

　序盤は固い展開が続くも、隙を突いた筑波大が前半20分に均衡を破る。後方からパスを受けたMF西澤健太(3年=清水ユース)が中盤からスルーパスを送り、裏に抜け出したMF松村遼(4年=國學院久我山高)がPA左から折り返すと、ゴール前の北川が右足で押し込んだ。

　失点後、常葉大浜松は当初の4-4-2からMF酢崎祥人(4年=青森山田高)をアンカーに置く4-1-4-1に変更。筑波大の2列目を封じて攻撃面でも厚みを持って仕掛けていくと、澤登正朗監督も「うまくトライアングルもできて、相手のトップ下のところを抑えられたので。ひとつ狙い通りの戦いはできた」と手応えを掴んだ。

　一方で、筑波大は右サイドの西澤とトップ下のMF近藤太(4年=真岡高)が位置を交換しつつ、流動的に攻撃を仕掛ける。前半33分には西澤とのワンツーを受けた松村がPA左に進入してシュートを放つが、GK中村晃己(4年=北海道大谷室蘭高)がキャッチ。筑波大はチャンスをつくるが、前半は1-0で終了した。

　後半開始から常葉大浜松は前目にプレスをかけていく。後半8分には右サイドのDF水野広夢(4年=清水桜が丘高)がアーリークロス。PA内のFW濱田駿(4年=浦和東高)が頭で合わせるも、GK阿部航斗(2年=新潟U-18)にキャッチされた。

　追加点が欲しい筑波大は後半22分に負傷から復帰したばかりという戸嶋を投入。すると同36分、右サイドの西澤からクロスを受けた戸嶋が冷静に右足で合わせて2点目が決まった。小井土監督も「結果を残してくれるので有難い」と語るリーグMVPの活躍。終盤に差し迫ったところでリードを2-0と広げ、流れは完全に筑波大に傾いたかに見えた。

　しかし失点直後の後半37分、常葉大浜松のMF土井智之(2年=神戸弘陵高)の一発がスタジアムの雰囲気を変える。DF野田椋雅(1年=山梨学院高)からパスを受けた土井が中盤左から右足を一閃。鋭い弾道がゴールネットに突き刺さり、常葉大浜松が1点を返して勢いを取り戻した。

　試合終盤、常葉大浜松は水野のロングスローから攻撃をつくりつつ、少しずつ筑波大ゴールににじり寄る。後半43分には水野のクロスをMF五島瑠維(4年=報徳学園高)が頭で合わせるが、惜しくもゴール左外にはずれた。

　残り時間が少なくなる中、常葉大浜松の勢いを冷静に防いでいく筑波大。そのままスコアが動くことはなく、前回王者が2-1で初戦を白星で飾った。

　小井土監督は「前半に1点こじ開けられたので、そういう意味では成長したなっていうのは感じました」と選手たちを称えつつ、「結局ミドルで失点してしまったので、一瞬の隙はまだまだ見られる」と修正点にも言及。しかし最後には「トーナメントなので、勝ったので100点だと思います」と初戦突破に目を細めた。

(取材・文　石川祐介)

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●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集