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[MOM509]東京国際大GK古島圭人(4年)_元Jリーガーの父の助言を胸に、前回王者を完封

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GK古島圭人が筑波大の猛攻を防ぎ切った

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 全日本大学選手権準々決勝 筑波大0-1東京国際大 柏の葉]

 東京国際大は前半6分にPKで得た先制点を守り切り、前回王者・筑波大に勝利。初出場にしてベスト4入りの快進撃を果たした。GK古島圭人(4年=帝京高)は終始緊張を切らさずにゴールを守り続け、被シュート数は7本だが、それ以上にPA内に及んだ攻撃を守備陣とともに跳ね返した。

 攻勢を保つ筑波大に対し、古島はPA内で機敏に反応していく。また、ピンチを潰すために後ろから守備陣に声をかけ、その上でPA内に放り込まれたクロスボールには落下位置を予測しつつ、好判断でことごとく対処した。緊張の90分間を守り切り、「勝った瞬間は涙が出ましたね。優勝したわけじゃないんですけど、この試合で終わってしまうんじゃないかっていうのは心の中にあったので」と思い返した。

 大学4年間でリーグ戦の出場は昨季の1試合と今季終盤の2試合のみ。インカレという大舞台で急きょ掴んだ正GKの座だが、500人いる部員の中から選ばれたことに「プライドを持った」と覚悟を固めて大会に臨み、ここまでの快進撃に貢献した。その秘訣について聞くと、同ポジションでプロとして活躍した父・古島清人さんの助言があった。

 小学5年生まではフィールドプレーヤーだった古島だが、湘南ベルマーレジュニアでGKをやることになってからはGK一筋。GKとして当時のベルマーレ平塚やアビスパ福岡、大宮アルディージャで活躍を続けた父親の姿を見本にしてきた。2000年の現役引退から指導者となった父親には、今でもGKのことで教えを請いているという。

 インカレは2回戦、そして準々決勝も観戦に訪れていたということで、筑波大戦前日には携帯でのやり取りで、「ひとつ目の判断を信じろ。一発の決断を信じて思い切ってやれ。良い判断で声を出してやっていれば絶対にうまくいくから」というアドバイスを受けた。古島はその言葉を実行。クロスボールに対する躊躇しない判断の良さ、また周囲へのコーチングと自らの長所を最大限に発揮してみせた。

 2回戦では阪南大に2失点したものの、1回戦の北海道教育大学岩見沢校戦と準々決勝・筑波大戦では完封勝利で貢献した。「(父の助言を)信じてプレーできました」と少しずつ実績を積み重ね、自信を手にしている古島。「また後ろから声を出して頑張っていきたいです」と偉大な先輩である父の助言を胸に、成長を続ける守護神が初出場での初優勝を目指していく。

(取材・文 石川祐介)
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