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坂本和雅が2発!!自信みなぎる駒澤大、同点被弾直後の勝ち越し弾で筑波大破り9年ぶり4強

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駒澤大がMF坂本和雅(14)の2発で勝利した

[12.17 インカレ準々決勝 筑波大1-2駒澤大 柏の葉]

 第67回全日本大学サッカー選手権大会の準々決勝が17日に行われ、柏の葉公園総合競技場では駒澤大(関東4)が筑波大(関東2)に2-1で競り勝ち、9年ぶりとなる4強に勝ち上がった。19日の準決勝では大阪体育大(関西1)と対戦する。

 駒澤大からは自信がみなぎっていた。筑波大は秋田浩一監督も「一番強いと思っている」と評価するほどの相手。そこに11月24日の関東リーグ最終節、場所は同じ柏の葉で1-0で勝利したことが、イレブンに今大会を戦う上での相当の自信を与えていた。

 2回戦から中1日。先発5人を入れ替えてきた筑波大に対し、駒大は全く同じメンバーで試合に臨んだ。「能力のある選手がいないので」と自虐した秋田監督だが、「疲労はありますけど、そこを頑張るところが駒大のサッカー」と自分たちのサッカーに自信があるからこその選択でもあった。

 ただ試合は序盤こそ駒澤大が圧力をかけるが、徐々にボールが持てる筑波大がチャンスを生み出していく。しかしこれも駒大の強み。フィジカル自慢の両CB、DF星キョーワァン(3年=矢板中央高)とDF伊勢渉(4年=神戸国際大附高)が中心となって相手の攻撃を跳ね返し続ける。前半終了間際には筑波大に押し込まれかけたが、何とか耐えて無失点で前半を終えた。

 そしてスタミナに自信がある駒大には、この前半の無失点が更なる勇気を与えていた。「相手の時間が長いというのもイメージ通り。前半を抑えたのが大きかった」(星)「前半0-0なら勝てる自信はあった」(伊勢)と、この時点で選手たちはすでに勝利への道筋を見出していたという。すると後半21分、ついに試合を動かす先制点が駒大に生まれる。

 MF鈴木隆作(4年=駒澤大高)とMF中原輝(4年=ルーテル学院高)の縦関係で右サイドを崩すと、ゴール前に鋭いクロスボールが入る。FW室町仁紀(4年=東京Vユース)とFW安藤翼(4年=長崎総合科大附高)がつぶれてボールはMF坂本和雅(4年=聖和学園高)まで届く。そして坂本は体ごと投げ出すようにして飛び込み、先制点を奪った。

 しかし筑波大もそう簡単には負けない。後半30分の左サイドからのCKのチャンス。MF西澤健太(4年=清水ユース)が蹴ったボールがゴール前の混戦を生むと、最後はFW犬飼翔洋(3年=中京大中京高)が押し込む。駒大のフィジカルに対抗して先発に抜擢しされた3年生FWの得点で、試合が振り出しに戻った。

 だが駒大の心が折れることはなかった。直後の後半32分、左サイドのスローインを繋ぐと、中原が坂本にラストパス。坂本は利き足である左を豪快に振り抜き、勝ち越し点を奪う。同点とされたことで落胆するのではなく、逆に筑波大に生まれた心の隙を見逃さなかった駒大が、勝負を制した。

 星が「正直追いつかれたけど、行ける気がした」と振り返るように、今、駒大イレブンは何事にも動じない、強い心で戦うことが出来ている。次戦の大阪体育大は、総理大臣杯の準々決勝で延長戦の末に敗れた相手。「最高のシチュエーション」(星)とイレブンも闘志をたぎらせる。

「チームとしてまたひとつ成長できた」と話したのは主将のMF大塲淳矢(4年=藤枝東高)。「厳しい試合を乗り越えたことで成長できた。ここでもう一個、乗り越えていきたい」。意識は先へ先へ。「強い筑波大」に連勝した駒大に、恐れる相手などもういない。

(取材・文 児玉幸洋)
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