beacon

[MOM658]びわこ成蹊スポーツ大FW井上直輝(4年)_奮闘結実のPK弾、闘志を燃やす大黒柱

このエントリーをはてなブックマークに追加

びわこ成蹊スポーツ大FW井上直輝(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]

[12.11 インカレ1回戦 びわこ成蹊スポーツ大2-1福山大 浦安]

 誰よりも走り続けた男がびわこ成蹊スポーツ大の勝利を決定づけるゴールを挙げた。FW井上直輝(4年=立正大淞南高)は後半29分、ドリブル突破で手にしたPKを自らゴール。その得点が決勝点となった。

 2年ぶりのインカレとなったびわこ大。初戦は固い入り方となるが、前半13分にMF佐藤諒(4年=藤枝明誠高)のゴールで先制に成功する。しかしその後は拮抗状態に。福山大に押される展開も目立ち、リードしてはいるものの、苦しい前半となった。

 びわこ大は後半途中からMF千川原慎(4年=立正大淞南高)、MF泉柊椰(1年=神戸U-18)を投入し、井上との連係から攻撃を円滑にする。すると後半29分、ドリブルを仕掛けた井上がPA左方向に突き進むと、相手DFのプレスに遭う。主審はファウルと判断し、びわこ大がPKを獲得。自らキッカーを務めた井上が冷静に決め切り、2-0とリードを広げた。

 その後福山大の反撃を食らったびわこ大は2-1と点差を縮められるが、そのまま終了。井上のPK弾が決勝点となった。

 得点はPKという形になったが、その走り切る姿勢を望月聡監督は評価。「彼のいいところはクリアを一生懸命追いかけるところ。そういう頑張りがああいうPKにつながった」と決勝点が努力の結果だったことを説く。井上自身はPKでの得点に不満もあるようで、「FWなんで決めることが仕事。PK以外はチャンスまで行けていなかったので、もっとシュートを打っていかないと入らない。そこは課題」と厳しく語った。

 試合が終わればみんなと一緒に勝利を噛みしめる井上。選手みんなとの自撮りでも「だって写りたいじゃないですか…(笑)」と最前線でカメラを持ち、陽気に撮影をしていた。指揮官は「チームに1人こういう人間がいたら助かる」と井上について語る。「文句言わずに走り回って走り回って一番動いている。チームのために動いてくれるので大事な存在」と称賛する。

 井上は自身が志願して今季からキャプテンを務める。「去年は好き勝手やってしまって、チームのためにということを疎かにしてしまった。それを変えないとアカンと思って」。志願したからにはしっかりやらないといけない。そう戒めることもないようで「引っ張っていくというより自分が楽しんで、自分が盛り上がったらみんなも盛り上がってくるかなっていう感じ」と自分のやり方を確立しているようだ。

 その影響は、実は望月監督から受けているもの。「モチさんもそういう監督なんですよ。無茶ぶりばっかりなんです。無茶ぶりに応えて、おれが滑って、みんな笑って。めっちゃ楽しいんです。お笑いとサッカーの融合を心掛けているらしいので」。指揮官とキャプテンによって、チームの良い雰囲気は作られているようだ。

 インカレは「このチームが始動してから、日本一を目指すのではなく、なるって決めてやっていこうと1年間取り組んできた」最後の集大成。夏の総理大臣杯では法政大に1-6と大敗を喫し、「そこから自分たちに足りないところを後期でやってきたので、それを見せる場」とさらなる成長に自信を持つ。自身もリーグ戦12ゴールで得点ランク3位と結果を残してきた。「一戦一戦を戦って優勝しか考えていないです。(次戦の)筑波とやるのは楽しみですね。どの道やらないとアカンので」。頼れる大黒柱は大学最後の大舞台で闘志を燃やしている。

★KIRINは大学サッカーで活躍するすべての選手を応援しています! KIRINインカレ応援企画として、ゲキサカMOMを獲得した選手全員に「キリンビバレッジ商品」をプレゼント。さらにKIRINゲキサカアワードMVPに選ばれた選手にはトロフィーとキリンビバレッジ商品をプレゼントします。詳細はこちらをチェック。

(取材・文 石川祐介)

●第68回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP