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攻守に強い早稲田が8年ぶり全国ベスト4!! 全試合3ゴール以上&無失点の堂々快進撃

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主将のDF杉山耕二(4年=三菱養和SCユース、写真右)が先制弾

[1.10 #atarimaeniCUP準々決勝 甲南大 0-3 早稲田大]

 2020年度の大学サッカー日本一を決める『#atarimaeni CUP』は10日、準々決勝が行われ、早稲田大(関東3)が甲南大(関西3)を3-0で破った。全日本大学選手権(インカレ)を制した2012年度以来、8年ぶりの全国ベスト4入り。21日の準決勝では法政大(関東7)と対戦する。

 試合前の円陣では、GK山田晃士(4年=浦和ユース/群馬内定)が会場中に響き渡るほどの大声で熱いスピーチ。そのハイテンションをピッチ内でも持続し、90分間にわたって互いに鼓舞し合った早稲田大が、初出場のダークホース甲南大を破って準決勝に進んだ。

 早稲田大は4-1-4-1の布陣。山田がゴールを守り、最終ラインは左からDF阿部隼人(4年=横浜FMユース/群馬内定)、DF工藤泰平(4年=日大藤沢高)、DF杉山耕二(4年=三菱養和SCユース)、DF柴田徹(2年=湘南ユース)。アンカーにはMF山下雄大(2年=柏U-18)が構え、2列目は左からMF西堂久俊(2年=市立船橋高)、MF植村洋斗(1年=日大藤沢高)、MF鍬先祐弥(4年=東福岡高/長崎内定)、MF梁賢柱(4年=東京朝鮮高)。1トップにはFW奥田陽琉(1年=柏U-18)が抜擢された。

 対する甲南大は初出場にして関東勢以外で唯一の8強入り。躍進を導いた1〜2回戦の先発をそのまま起用し、4-4-2の布陣で挑んだ。GK善村龍真(2年=作陽高)を最後尾に置き、4バックは左からDF今西宏輔(4年=立正大淞南高)、DF井上聖也(3年=県立西宮高)、DF小田健聖(4年=東福岡高)、DF藤永涼(2年=G大阪ユース)。中盤は左からMF久保勇大(1年=G大阪ユース)、MF坂本樹(3年=履正社高)、MF藤原貫大(3年=センアーノ神戸ユース)、MF室井陸(4年=就実高)で、2トップにはFW稲森文哉(4年=阪南大高)と同校初のプロ入りを果たしたFW木村太哉(4年=札幌大谷高/岡山内定)が入った。

 試合は立ち上がりから両者ともにアグレッシブな姿勢が目立ったが、球際で上回った早稲田大が主導権を握った。前半5分、左サイドを阿部と西堂で崩し、梁のチャンスは井上のカバーに遭ってシュートまで至らずも、8分には山下のミドルシュートが小田を強襲。11分、右サイドを突破した柴田のクロスにニアで奥田が反応し、惜しいヘディングシュートを放った。

 そして前半20分、早稲田大が先手を取った。ゴール左斜め前で獲得したFK、左利きの阿部がゴール前にアウトスイングのクロスボールを供給すると、これに合わせたのは主将の杉山。高いジャンプから繰り出されたヘディングは完璧にミートし、豪快にゴールネットを揺らした。

 その後は早稲田大も序盤のハイペースから試合を落ち着かせ、甲南大がボールを握る時間帯も増加。室井のドリブル突破や、稲森と木村の裏抜け、坂本のセットプレーでチャンスをつくった。だが、この日の早稲田もここまで2試合無失点を続ける最終ラインの集中力が高く、的確なシュートブロックとクリアで前半を無失点のまま終えた。

 すると後半も早稲田大のペース。奥田に訪れた立て続けの決定機はシュートの精度を欠いてゴールには至らなかったが、前半に続いて甲南大をのみ込む。甲南大は後半12分、室井に代えてMF宮崎空翔(3年=阪南大高)を投入。14分には木村のシュートのこぼれ球を井上が狙い、このセカンドボールを久保が押し込もうとしたが、シュートは大きく枠を外れてチャンスを逃した。

 そしてここから早稲田大が一気に畳みかけた。後半16分、右サイドを突破した西堂のクロスが梁に渡り、落ち着いてネットに流し込み追加点。さらに27分、今度は鍬先が3列目から右のハーフスペースを打開し、折り返しのボールを奥田が決めた。30分にはサイドを崩され大ピンチを迎えたが、木村のシュートは山田のビッグセーブで難を逃れた。

 甲南大は後半41分、セットプレーの二次攻撃から井上がヘディングシュートを叩き込むも、惜しくもオフサイド。最後は甲南大が一方的に攻め立てたが、ゴール前の気迫で守り抜いた早稲田大がそのまま試合を締め、3-0で勝利した。早稲田大は1回戦のIPU・環太平洋大戦(○4-0)、2回戦の静岡産業大戦(○3-0)に続き、全試合3ゴール以上の完封勝利で、堂々の4強入りとなった。

(取材・文 竹内達也)
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