beacon

[MOM755]東海学園大FW福田望久斗(4年)_電光石火の逆足一閃! 東海L得点王の鹿児島内定エースが「恩返し」決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW福田望久斗(4年=中央学院高/鹿児島内定)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 全日本大学選手権1回戦 仙台大 0-1 東海学園大 浦安市]

「割り切るところは割り切って、大胆に」。そんな意識で放たれた開始早々の先制ゴールが、東海学園大をインカレ初戦突破に導いた。決めたのは東海学生リーグ得点王のFW福田望久斗(4年=中央学院高/鹿児島内定)。「自分の仕事は点を取るだけ。チームにもフィニッシャーを任されていたので、シュートを意識してゴールを決めようと思っていた」と胸を張った。

 試合前から続いた激しい風雨により、難しいピッチコンディションとなったインカレ開幕戦。ドリブルとショートパスを主体に攻撃を組み立てる東海学園大にとって、不利に働くシチュエーションかと思われたが、勝利のために覚悟は決まっていた。

「自分たちはつないで相手をいなし、試合を支配するコンセプトだけど、雨の中でできないことはわかっていたので、どれだけ強く激しくできるかに切り替えた」(福田)。

 選手間でやるべきことを共有した東海学園大は、立ち上がりから「ゴロが止まるので、そこで失ってカウンターが一番怖かった。コーナーフラッグを目掛けて浮いたボールを蹴るのを意識した」という狙いのロングボール攻勢を展開。そして前半3分、早くもスコアを動かした。

 ロングボールの蹴り合いで生まれたセカンドボールをDF舌古圭佑(2年=名古屋U-18)がヘディングで押し返し、これを受けた福田がドリブルで敵陣に攻め込むと、ミドルレンジから左足を一閃。風に乗った鋭いシュートをゴールネットに突き刺した。

「ピッチも濡れているのでボールもスリップする。立ち上がりに打って自分たちの流れにしようと振り抜いた」。そんな言葉のとおり、利き足とは逆の左足でチャレンジングなシュートとなったが、「追い風だったので上手くミートできて、風に流れていいコースに行った」と自画自賛の完璧な一発となった。

 このゴールで先行した東海学園大は仙台大をシュート一本に抑え込み、1-0の勝利で初戦突破を達成。夏の総理大臣杯では大阪体育大を相手に0-0からのPK戦で敗れ、初戦敗退を喫していたが、ようやく今季の全国初白星を収めた。

 その大阪体育大とのPK戦では、1人目のキッカーで登場しながらも相手GKに止められたのが福田だった。「最上級生で責任がある。みんなに迷惑をかけていたのでみんなに恩返しできればという気持ちでいた」。全国の借りは全国で——。この日の活躍にはそうしたリベンジの位置づけもあった。

 来季はJ3の鹿児島ユナイテッドFCに加入予定。このインカレは大学最後のビッグトーナメントで集大成を飾るためだけでなく、新天地の首脳陣へのアピールもかかる大会となる。「点に絡める選手、相手から怖いと思われる選手になれれば」。目標とするベスト4に向け、このままゴールを量産していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP