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京産大は先発5人がG大阪ユース出身…同点ゴールのMF中野歩「このサッカーで日本一を取りたい」

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MF中野歩(2年=G大阪ユース)が同点ゴール

[12.8 全日本大学選手権1回戦 京都産業大 2-1(延長) IPU・環太平洋大 浦安市]

 0-1で迎えた後半19分、京都産業大の逆転の口火を切ったのは2年生アタッカーの一振りだった。MF中野歩(2年=G大阪ユース)は試合後、「自分でも入ると思わなかったのでビックリしたけど入ってよかった」と照れ笑いを浮かべた。

 先発11人のうち5人がG大阪ユース出身という京都産業大。30年ぶりの全国出場となった初戦は開始早々に失点を喫するなど苦しい立ち上がりとなったが、後半はFW原田烈志(3年=G大阪ユース)、MF福井和樹(2年=同)、MF食野壮磨(2年=同)らが立ち位置を変えながら繰り出すパスワークが徐々に勢いを増し、IPU・環太平洋大を押し込んでいった。

 すると後半19分、左サイドバックを担うDF吉木大喜(3年=G大阪ユース)からのパスを受けた中野がカットインから右足一閃。「後半に風がこっち向きで、シュートを打ったら伸びるのはわかっていた。カットインした時に前のスペースが空いていたので打とうと思った」。風に乗って伸びたボールはまっすぐにネットへ突き刺さった。

 試合は延長戦にもつれ込んだが、試合を決めるゴールもG大阪ユース勢がお膳立てした。吉木のパスを受けた食野が振り返りざまにスルーパスを送ると、神戸U-15出身のFW今岡陽太主将(4年=大阪桐蔭高)が反応。落ち着いて1対1を制し、初戦突破を決める決勝点となった。

 京都産業大に集結したG大阪ユース勢だが、示し合わせてきたわけではなく、それぞれスカウトを受けて入学を決断したため、普段は「あまり意識しない」という。だが、パスワークに関しては「ずっと一緒にいるので、前を向いたらパスが来るみたいなのはわかる」(中野)と一日の長。京都産業大のスタイル自体も彼らを活かす方向に変わり、ここまで結果が出ている。

「このサッカーで日本一を取りたい」(中野)。30年ぶりの全国出場だが、目標は高く日本一。次の相手は過去3度の全国制覇経験を持つ筑波大。中野は「大学になって初めての全国大会で、関西とは違う強度がある。そこで関東勢を潰していきたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
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