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負傷明け&マンマーク受け不完全燃焼…G大阪入りの関学大FW山見大登「自分の仕事ができない中でも点を決める力を」

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関西学院大FW山見大登(4年=大阪学院大高)

[12.11 全日本大学選手権2回戦 阪南大 1-0 関西学院大 前橋総合]

 ガンバ大阪での活躍で大きな注目を集めた関西学院大FW山見大登(4年=大阪学院大高)の冬は、不完全燃焼のまま終わった。大会前に負った右膝の怪我の影響により時間限定での出場。1点ビハインドでの投入後はマンマークを受けて見せ場をつくることができず、初戦で大会を去る形となった。

 山見は2018年6月、天皇杯2回戦のG大阪戦で決勝ゴールを沈め、ジャイアントキリングの立役者として注目を集めたアタッカー。20年8月には大学卒業後のG大阪加入が内定し、「小さい頃から応援してきたクラブ」(山見)でプロキャリアを始めることが決まった。また今年8月には特別指定選手としてG大阪に登録され、J1デビュー戦の清水戦で決勝点を記録。ルヴァン杯でもC大阪からゴールを奪うなど、すでにJリーグの舞台で一定の結果を残している。

 そんな山見だが、今大会はトップコンディションで迎えることはできなかった。「インカレ前に右膝を怪我してしまって、ギリギリ間に合った。試合自体もあまりできていない状況だったので、途中からということで準備していた」。大学生活最後の大会に向けて「チームで最後に日本一を取りたいという思いがあったので無理をしてでも間に合わせようと思っていた」とモチベーションは高かったが、初戦の阪南大戦もベンチからのスタートとなった。

 関西学院大はこの日、序盤から阪南大のハイプレスに晒され、なかなか主導権を握れないまま0-1でハーフタイムを迎える苦しい展開。後半15分、ついに山見の出番が訪れた。「前半は攻撃面で何もできていなくて、ズルズル行っていたイメージがあったので、前線でタメをつくって自分で仕掛けて得点に絡むプレーをやろうと準備していた」。万全ではない状態ではあったが、チームに貢献するイメージはできていた。

 ところが直後、阪南大はすぐさまMF津野ジュウリオ心(4年=豊川高)を投入。山見のマンマークを担当させる奇策に打って出た。「マンツーマンをつけてきて、自分のところに絶対に一枚いる状況だったので、他の選手には俺を囮に使って周りから攻めてほしいと伝えた。できるだけ敵を2枚くらい引きつけてやろうと思っていた」。そうした意識でプレーしてはいたが、チームはシンプルなハイボール攻撃が増える中、なかなかゴールに近づくことができなくなった。

 後半42分にはゴール正面からのFKを任されるも、キックは壁に直撃。「怪我の影響もあってボールがあまり蹴れていなかったけど、チームメートが任せてくれた。こういうところで決めないとエースを名乗れないと思ったので、もらった以上は頑張ろうと思ったけど、相手の壁に当たってしまったので自分の実力不足かなと思う」。試合はそのままタイムアップを迎え、無念の初戦敗退が決まった。

 試合後、山見は「まだ切り替えられていないのが正直なところ」と悔しい思いを明かしつつ、来季への意気込みを語った。

「来年からJ1の舞台でやっていかないといけない。マンツーマンで自分の仕事ができない中でも点を決める力を出していかないと来年から試合に絡んでいけないので、切り替えて頑張っていかないといけない」。

 来季の目標は「自分の地位を確立して、試合に出続けて、点を取ってチームを勝たせること」。幼少期から応援してきたクラブの復権へ。まずはコンディションを整え、開幕に向けてキャンプからアピールしていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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