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明治大が圧巻3発完封でインカレ4強! びわこ大指揮官が称えた明大の“2つの強さ”

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明治大がインカレ4強へ

[12.14 全日本大学選手権準々決勝 明治大3-0びわこ成蹊スポーツ大 AGFフィールド]

 第70回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は14日に準々決勝を行った。明治大(関東3)はびわこ成蹊スポーツ大(関西3)に3-0で快勝。準決勝に駒を進めた。

 明大は4-4-2の布陣を敷く。GKは前日に栃木SC加入が内定した青嶋佑弥(4年=浜松開誠館高)。4バックは左からDF加藤蓮(4年=札幌U-18/東京V内定)、DF石井優輝(4年=昌平高)、DF村上陽介(2年=大宮U18)、DF岡庭愁人(4年=FC東京U-18/FC東京内定)が並ぶ。中盤2枚はMF木村卓斗(3年=横浜FMユース)とMF常盤亨太(1年=FC東京U-18)。左サイドはDF阿部稜汰(2年=日章学園高)、右サイドはMF杉浦文哉(4年=名古屋U-18/水戸内定)が置かれ、2トップはFW藤原悠汰(4年=広島皆実高)とFW赤井裕貴(3年=帝京高)が入った。

 びわこ大も4-4-2の布陣を敷く。GKは倉原將(1年=鳥栖U-18)が立ち、4バックは左からDF藤松航矢(4年=鳥栖U-18)、DF山田祐樹(3年=立正大淞南高)、DF森昂大(4年=創造学園高/徳島内定)、DF藤井嵐(1年=立正大淞南高)。ボランチ2枚はMF工藤真人(2年=仙台ユース)とMF佐藤昴(4年=神戸U-18)を起用。左サイドはMF泉柊椰(3年=神戸U-18/神戸内定)で、右サイドはMF齋藤圭汰(4年=摂津高)が入り、2トップはFW石橋克之(2年=立正大淞南高)とFW曺亨仁(4年=鹿児島U-18)となった。

 びわこ大の望月聡監督が「うちの良いペースで始まった」と語るように、序盤から攻勢を強める。しかし、明大は前半10分過ぎからペースを握る。そして前半12分に先制。阿部のパスを木村がつなぎ、最後は杉浦が冷静に右足シュートをゴール右隅に流し込んだ。

 0-1と同点に追いつきたいびわこ大は前半22分、泉が自陣の左サイドからロングボールを飛ばし、中盤の石橋が収める。そこからパスを受けた曺が敵陣PA内からシュートを放つが、惜しくもGK青嶋に阻まれた。

 次にスコアを動かしたのは再び明大。阿部のパスを受けた木村がPA手前から豪快な右足ミドルを放つと、ゴールに突き刺さる。2-0と点差を広げると、堅い守備で相手の攻撃を封じる。前半終了間際には阿部を下げ、DF鷲見星河(1年=名古屋U-18)を投入し、布陣を3バックに変更した。

 チャンスの数ではほぼ互角だったが、前半で勝負強さを見せたのは明大。栗田大輔監督が「決めるべきところで決めるというのが、このトーナメントすごく大事」と語るように、杉浦と木村がチームの真価を発揮してみせた。

 びわこ大はハーフタイムで2枚替え。齋藤と曺を下げ、MF勝田晃太郎(4年=飛龍高)とFW伴木翔(2年=立正大淞南高)を入れる。一方、明大は後半開始直後に杉浦が下がり、FW佐藤恵允(2年=実践学園高)が途中出場した。

 3バックに変更した明大は、加藤と岡庭の両サイドが積極果敢に攻め立てる。そして後半22分にダメ押しの3点目。加藤から木村を経由し、ボールを収めた藤原がPA左に個人技で入り込む。左足シュートを鮮やかにゴール右隅に決め切り、3-0と勝利を決定づけた。

 ベスト4進出を決めた明大の栗田大輔監督は試合後、全国大会で初めて相まみえたというびわこ大との対戦を語る。「うちのゲームだったり相手のリズムになったりと繰り返していく試合だったと思うんですけど、その中で選手たちがちょっとずつ補正しながら、自分たちのリズムに持ってきた。そうしながらゼロで終えられたのが大きかった」と完封勝利を振り返った。

 チームは今年で創立100周年。伝統校のあまりにも大きな節目の年に、指揮官はあえて「100年を背負うな。とにかく今を大事にしなさい。今を楽しみなさい」と伝えているという。「それがOB全員の総意。別に100年を背負ってくれとは誰一人思っていないと思います。僕もいちOBとしてそれは伝えましたし、とにかく今年のサッカーを頑張ってほしい」。あくまで“明大のサッカー”である「強い個人がクリエイティブに絡み合うサッカー」に徹することを望んでいた。

 一方、望月監督は「意外とうちのチームはやれる、成長したなと感じました。でも負けているんで、だめですけど」と振り返る。チャンスは拮抗。しかし、びわこ大と明大の差について「見事に決める決定力、個の能力の差」と挙げた。

 また、チーム全体でいえば、明大の“攻守の切り替えの速さ”も際立っていたという。「上手いのはたしか。それで攻守の切り替えがすごく速い。サッカーは、そこの切り替えの速さがすごく大きく勝敗に左右する。うちも関西では早いほうだと思うんです。最後まで粘り強く守備のときは全員がしっかり守っていて、堅い守備ができていた。でも、それを上回る速さ、あの決定力はすごいなと思います」。愛弟子たちをねぎらいつつ、完敗を認めていた。

 準決勝に進んだ明大は、次戦で今季負け越している駒澤大と対戦。栗田監督は「自信を持ってやるだけかなと。昨年まで、駒澤さんに対しては自信を持って取り組んでいるので、もう一回それを思い出してもらって、うちのサッカーをやりたいと思います」と大一番に意気込みを語った。

(取材・文 石川祐介)
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