beacon

[MOM766]明治大DF岡庭愁人(4年)_FC東京内定DFが貫禄の完封、そして“魂のぶつけ合い”へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

明治大DF岡庭愁人(4年)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 全日本大学選手権準々決勝 明治大3-0びわこ成蹊スポーツ大 AGFフィールド]

 DF岡庭愁人(4年=FC東京U-18/FC東京内定)は11日の2回戦では2アシストを記録したが、準々決勝では数字上の結果は示せず。しかし、その圧倒的な攻守の安定感で勝利に大きく貢献。栗田大輔監督の「シンプルに負けるな」という言葉のとおり、相手の攻撃の起点を潰してみせた。

 右サイドバックで先発した岡庭の相手は、ヴィッセル神戸内定MF泉柊椰(3年=神戸U-18)。攻撃の起点として初戦、2回戦と勝利に貢献してきたドリブラーだが、岡庭は動じない。相手のドリブルに対する冷静さと、激しいプレスで封印。「相手の攻撃のポイントだと思っていたので、そこでやらせなかった」と実力を見せつけた。

 前半は4-4-2の布陣を敷いていたため、岡庭は守備に回ることも多かったが、前半終了時の交代カードで3バックに変更。岡庭は一列前に出て、攻勢を強める。「後半はギアを上げて、明治らしいサッカーでいい守備からいい攻撃っていう形が出せた。藤原(悠汰)選手が最高の追加点を取ってくれて、すごくいい流れで大会を進められている」。盤石な強さを発揮し、見事ベスト4進出を決めた。

 試合を振り返り、守備面では自身に及第点を与える。「自分が攻撃のポイントを潰していけば、この先も勝利につながっていくと思う。そういう1対1だったり、対面した相手にこだわるっていうのを、これからもやっていきたいです」。

 一方で、攻撃については課題を挙げる。11日の2回戦では2アシストを記録。その感触が残っているだけに「正直あまり納得いっていない。精度はまだまだ」と結果を残せず、悔しさをにじませた。

 来季からはFC東京のサイドバックとしてプレー。明大は長友佑都や室屋成を始め、ここ数年でもサイドバックを輩出し続けている。「ほかの大学と比べても求められているものは高いと思いますし、理不尽に打ち勝ってきた先輩方がプロの世界で体現している。その背中を自分は見てきた」。伝統のポジションで戦ってきた自らに求めるものは多いようだ。

「(先輩たちを)超えないとプロになれたとしても試合に出れないし、世界に飛び立っていけない。それに打ち勝ってこそ明治のサイドバックだと思う。そういうところを後輩に見せていきたいと思いますし、明治のサイドバックという見本、明治の象徴となる選手というのを、この大会でも示していきたいです」

 だがJリーグで戦う前にひとつ、大学サッカーの舞台で勝たなければいけない相手がいる。18日の準決勝で対戦する駒澤大だ。もともと相性が良い相手だったが、今季はリーグ戦で2度敗れ、天皇杯予選でも敗戦。3連敗を喫していた。

 優勝までは残り2試合。その前に立ちはだかる駒大に、岡庭は闘志を燃やす。「宿敵の駒澤。本当に魂のぶつけ合いになると思う。チーム状態もいい。私生活からそういう雰囲気にもこだわって、最高の準備をしていきたいと思います」。貫禄すら感じさせる名門のサイドバックが、大学最後の舞台を駆け抜ける。

(取材・文 石川祐介)
●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP