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中京大が“九州無敗”福岡大とのPK戦までもつれた死闘を制し初戦突破!大分内定MF小酒井の欠場を力に

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[12.8 インカレ1回戦 福岡大2-2(PK5-6)中京大 第一カッターフィールド]

 中京大(東海3)対福岡大(九州1)は2-2からPK戦に突入。中京大が6-5で制し、勝ち上がりを決めた。11日に行う2回戦は、筑波大(関東3)と対戦する。

 取って取られてのシーソーゲーム。最後のPK戦では互いに成功とクロスバーに当てる失敗を繰り返し8人目まで突入した。そんな激戦をものにしての初戦突破に、永冨裕也監督も「福岡大さんは九州リーグ無敗で来ていたので、胸を借りるつもりでやらせてもらいました。どっちに転んでもおかしくないゲームでしたが、次も同じように自分たちらしく戦いたいと思います」と初戦突破を評価した。

 先制したのは中京大だった。前半13分、DF桒田大誠(2年=暁星国際高)からのロングボール一本で左サイドから斜めに走り込んだMF永田貫太(3年=鵬学園高)が裏を取る。そのままGKをかわして右足で流し込み、スコアを動かす。

 しかし直後に福大も反撃。前半16分、右サイドからDF橋本悠(2年=鳥栖U-18)がクロスを上げると、FW中山桂吾(1年=高川学園高)のポストプレーからMF重見柾斗(3年=大分高)が右足インサイドキックで流し込み、あっという間に試合を振り出しに戻す。

 その後、GK菅沼一晃(3年=浜松開誠館高)の好セーブもあり、1-1で前半を堪えた福大は後半9分、橋本のロングパスで裏に抜け出した、九州MVPのMF永田一真(4年=岡山学芸館高)がGKとの1対1を冷静に制して逆転に成功。福大が理想通りの展開に持ち込んだ。

 しかし中京大はここで諦めなかった。後半15分、MF屋嘉比奏汰(1年=興國高)の右クロスに反応したMF藤井皓也(3年=静岡学園高)がエリア内でボールを奪うと、ドリブルから左足を振り抜き、試合を振り出しに戻してみせた。

 その後もチャンスの数では中京大が上回る展開になるが、福大はGK菅沼を中心に相手の攻撃を跳ね返していく。90分で決着がつかず延長戦に突入した一戦は、15ハーフを戦っても互いに勝ち越し点が奪えず、PK戦で勝ち上がりを決めることになった。

 PK戦ではクロスバーが“大活躍”した。まずは後攻の中京大3人目で蹴ったDF多田風太(3年=中部大一高)のシュートがクロスバーを直撃。直後の福大4人目で蹴ったFW榊原琉太(3年=熊本商高)もクロスバーに当てて失敗する。

 サドンデスに突入しても、まずは福大6人目で蹴ったFW鶴野怜樹(4年=立正大淞南高)のシュートが枠外に飛ぶと、決まれば勝ちの中京大MF武藤寛(1年=市立船橋高)のシュートはクロスバーに当たって外れる。

 PK戦が続けられると、福大の8人目で蹴ったDF内田裕也(3年=高川学園高)のシュートが左ポストに当たって外れる。後攻の中京大は屋嘉比がしっかりと決めて、勝利をもぎ取った。合計5人が失敗したPK戦だったが、GKが止めたシュートは一本もなかった。

 勝った中京大だが、先月18日に24シーズンの大分トリニータへの入団内定が発表になったMF小酒井新大(3年=草津東高)が、10月末の試合で前十字靭帯を負傷。今大会は大黒柱の背番号10を欠く戦いになっている。

 永冨監督も「いるかいないか、存在は僕らにとっても大きい」と不在を嘆くが、一方でチームの団結も深めている様子。さらに下級生の成長があり、この日、存在感をみせていた武藤や屋嘉比は追加登録でメンバー入りした選手たちだった。

 東海代表の3チームは1回戦からの参戦となっているが、すべてが勝ち上がる結果になった。次戦はいよいよシード校、関東や関西の強豪との対戦となるが、そこも望むところ。指揮官は「ここ数年インカレは1回戦で敗れていたので、関東の強い所とやりたいと思っていた」と話すと、「またいいゲームがしたい」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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