[12.11 インカレ2回戦 明治大1-2(延長) 仙台大 味の素フィールド西が丘]

　120分間ピッチに立ち、誰よりもシュートを放った。明治大は前半31分に仙台大に先制ゴールを許したが、FW太田龍之介(3年=岡山U-18)が後半12分に一時同点となる得点を記録。しかし、その後もう一度ゴールネットを揺らすことができず。延長後半終了間際に劇的な失点を食らい、早々に大会を去った。太田は「チームを勝たせられなくて、結果負けてしまった。自分の力不足、それだけです」と悔しさをにじませた。

　関東覇者・明大はシードで2回戦から登場した。序盤からボールを握る展開だったが、得点が奪えないと、勢いは仙台大に流れる。前半31分にセットプレーから失点を喫した。0-1で前半を終え、ハーフタイムで修正を図る。「前線からのプレスと、背後を狙い続ける部分と、あとは判断を早くする部分をみんなで徹底しようと」(太田)。その成果は後半開始から出始め、明大が再び攻勢を強めた。

　すると、後半12分に待望の同点ゴールが決まる。DF福田心之助(4年=札幌U-18/京都内定)からボールを受けたFW正田徳大(4年=柏U-18)が右サイドからクロス。低めの弾道を太田が器用にダイレクトで合わせた。「サイドがクロスを上げるときにマイナスが空くということがわかっていた。そこを狙っていたので、練習の成果が出せた」(太田)。ゴールに流し込み、試合を振り出しに戻した。

　1-1で試合は進むが、逆転ゴールは生まれない。太田は味方にパスを要求し、仲間もそれに応える。延長戦に突入し、120分間で太田は両チーム最多のシュート6本を放ったが、再びゴールネットを揺らすことができず。延長後半アディショナルタイム、仙台大にセットプレーから痛恨の失点を許す。劇的な形で敗北を喫した。

「自分はチャンスがあった。味方がいいボールを出してくれた。そこを自分が決め切れなかった。ただ、それだけが事実」。太田は目を赤らめながら、悔しさを噛みしめる。「きょうも決定力が課題。少ないチャンスでも決め切れることがエースストライカーだと思う。このあと一年、チームを勝たせられる選手になっていきたい」。

　昨年の無冠から今季リーグタイトル奪取に貢献した4年生はこれでチームを去り、太田ら3年生がチームの中心になる。「4年生の力を感じた一年間だった。自分たち1、2、3年生は、4年生に引っ張られてばかり。4年生が残したことを自分たちがつないでいかないといけない」(太田)。強者・明大を取り戻すために、最終学年での再起を誓った。

(取材・文　石川祐介)

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●第71回全日本大学選手権(インカレ)特集