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新潟医療福祉大は念願の全国初4強! 夏のリベンジ狙う中京大とのPK接戦を制す、佐熊監督「チームがひとつにまとまった」

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新潟医療福祉大が初の全国ベスト4

[12.18 インカレ3回戦 新潟医療福祉大1-1(PK5-4)中京大 相模原ギオンスタジアム]

 第71回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は18日に3回戦を行った。新潟医療福祉大(北信越1)は中京大(東海3)と対戦し、1-1の末にPK戦で5-4の勝利。全国大会で初のベスト4進出を果たした。

 医福大は初の8強進出からさらなる快進撃に挑む。4-4-2の布陣を敷き、GKは桃井玲(2年=桐光学園高)で、4バックは左からDF沼田皇海(4年=尚志高/YS横浜内定)、DF秋元琉星(2年=青森山田高)、DF二階堂正哉(4年=青森山田高)、DF森田慎吾(3年=FC東京U-18)が並ぶ。ボランチ2枚はMF野開ディラン(4年=札幌大谷高)とMF沼田航征(3年=FC東京U-18)。左サイドはMF坂岸寛大(3年=横浜創英高)、右サイドはMFオナイウ情滋(4年=正智深谷高/仙台内定)を置き、2トップはFW田中翔太(3年=青森山田高)とFW小森飛絢(4年=富山一高/千葉内定)が入った。

 11年ぶりのベスト4を目指す中京大も4-4-2の布陣。GKは福本悠(2年=G大阪ユース)で、4バックは左からDF大嶋春樹(4年=神戸弘陵高)、DF水口湧斗(4年=履正社高/相模原内定)、DF桒田大誠(2年=暁星国際高)、DF多田風太(3年=中部大一高)を起用する。ボランチ2枚はMF押富大輝(2年=神戸U-18)とMF武藤寛(1年=市立船橋高)。左サイドはMF永田貫太(3年=鵬学園高)、右サイドはMF進藤克樹(3年=富士市立高)で、2トップはMF有働夢叶(2年=興國高)とMF藤井皓也(3年=静岡学園高)となった。

 医福大は開始早々、ハプニングに見舞われる。沼田皇がセットプレー時に接触してしまい鼻から出血。血が止まらないため途中交代となり、DF神田悠成(3年=青森山田高)が左SBとして投入された。だが、序盤の混乱も守備陣は冷静に対応。攻撃陣も前半10分に小森が反転シュートを放ち、ポスト直撃のチャンスを作った。

 拮抗状態となった試合で最初にスコアを動かしたのは中京大。前半17分、セットプレーのクリアボールを武藤が中盤から敵陣に蹴り込む。藤井が反応してPA右に進入。キックフェイントで相手選手のマークをはがすと、飛び出したGK桃井の脇を通すようにシュートを放ち、先制ゴールを決め切った。

 失点した医福大は後手に回り、得意のサイド攻撃は実を結ばない。前半はそのまま0-1で折り返した。後半に入ると、医福大は冷静にパスを回し、再びサイド攻撃からゴールを狙った。だが同点ゴールは遠く、淡々と時間だけが過ぎていく。後半34分にはロングスローから田中がゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定でノーゴール。医福大に焦りの色が見え始めた。

 それでも医福大のあきらめない姿勢が結実する。後半アディショナルタイム1分過ぎ、オナイウの右CKを秋元がPA中央でヘッド。ゴール前にこぼれたところを野開が押し込み、待望の同点ゴールとなった。そのまま後半が終了し、試合は延長戦に突入。延長前後半30分でもスコアは動かずに、勝敗はPK戦に委ねられた。

 両者2人目まで成功させると、医福大はGK桃井が中京大の3人目のシュートをスーパーセーブでストップさせる。一方、キッカーでは4人目まで成功させると、最後は同点ゴールを挙げた野開が5人目を務める。冷静かつ豪快にシュートを決め切り、医福大がPK戦を5-4で制す。全国大会で初のベスト4進出が決まった。

 両校は夏の総理大臣杯でも対戦しており、中京大は2回戦で医福大に0-3と完敗を喫していた。今回はリベンジの舞台となったが、またしても接戦で屈した。永冨裕也監督は「夏に何もできなかった0-3のゲームから進歩はあったのかな」と語る。夏の敗戦から今回は先制に成功。しかし追加点が奪えずに追いつかれた。「トーナメントに関しては結果がすべて。このPKもそうですけど、そこに分があったのは向こう」と肩を落としつつ、PK戦には「信頼できる選手に託したので、そこに関しては悔いはない」と教え子たちをねぎらった。

 医福大初の4強も、佐熊裕和監督の喜びは控えめだ。「ようやくですね。なかなかうまくいかなかったところもあった。ただやっぱり4年生がきちっとやってくれたので、そういうところでは、チームがひとつにまとまったのかなと思います」。ここからは未知の領域。準決勝では総理大臣杯王者の国士舘大と対戦する。指揮官は「一試合一試合胸を借りるような気持ちで、チャレンジャー精神でやっていきたい」と胸を借りて全力を尽くすつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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