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盤石の関西王者・関西学院大が誇るJ内定カルテットの一角…G大阪内定の3年生MF美藤倫は攻守で存在感

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関西学院大MF美藤倫(3年/G大阪内定)

[12.18 インカレ3回戦 常葉大0-1関西学院大 相模原ギオンスタジアム]

 全国ベスト4入りを決めた関西学院大にはJクラブ内定者が4名在籍。その一人であるMF美藤倫(3年=東海大大阪仰星高/G大阪内定)は、フル出場で勝利に貢献した。

 関学大は中盤で美藤、MF長尾優斗(3年=G大阪ユース)、MF平山湧喜(4年=藤枝明誠高)の3人が流動的に動きつつ、MF倍井謙(3年=名古屋U-18/名古屋内定)も攻守に絡む。高橋宏次郎監督は「システムを組んで守備の時間が長いと失点の確率は高まる。4-4-2にして守備のところをしっかりする。攻撃は4-4-2でも立ち位置を変えれば、持ち味を出せる選手がいっぱいいる」と変則的な布陣の意図を明かした。

 前半9分にはFW山田剛綺(4年=京都橘高/東京V内定)のゴールで先制に成功する。その後は山田とFW根木洸希(4年=C大阪U-18)が前線からプレスを仕掛け、美藤、長尾、平山、倍井が中盤でボールを奪う。特に後半に入ると、美藤が立ち位置で相手のパスコースを阻みつつ、攻撃も良い立ち位置でパスを中継して円滑化。美藤は「後半は落ち着かせようとゲームに入ったのでうまいこと入れた。倍井と長尾を使いながらはがせた」と手応えを語った。

 終盤に入ると、常葉大の猛攻を浴びるシーンも。FW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)の終盤投入により前線でボールキープができるようになると、残り時間を守り切って1-0で勝利。3年ぶりの準決勝進出を決めた。

 美藤は特に左サイドに寄った時間帯で持ち味を発揮。同サイドの倍井とのコンビネーションは圧倒的な安定感を誇り、「倍井とは相性良くやらせてもらっている」と胸を張る。ボランチとしてプレーをしつつ攻撃も意識。2回戦、3回戦と要所ですばやく前線に駆け上がり、チャンスメークを図る。2回戦は山田の先制ゴールもアシストした。「きょうも追加点を狙っていた。決められなかったですけど、前に行く意識は良くなってきている部分」と狙いを明かす。

 Jクラブ内定者は各ポジションで持ち味を出す。最前線でボールを追い、攻撃時は体も張れる東京V内定の山田、中盤で攻守に安定感をもたらすG大阪内定の美藤、左サイドで高い個人技を見せる名古屋内定の倍井はしっかりと勝利に貢献した。

 さらに、今季は京都サンガF.C.帯同や代表活動で関学大のチーム活動が減ったため終盤投入という形で圧倒的な強さを発揮する木村、最終ラインを統率する主将のDF山本祐也(4年=近大附高)や、攻守で力強さを見せた両SBのMF濃野公人(3年=大津高)やDF竹村健汰(4年=近江高)と、盤石な強さを見せつけてベスト4まで勝ち進んできた。

 次戦は今大会初の関東勢・桐蔭横浜大との対決となる。「レベルもグッと上がる。桐蔭横浜大はいいサッカーをしてくると思う。だけど、自分たちのサッカーをして、積極的な勝ちたいと思います」(美藤)。次戦で勝てば元日の国立決勝へ。2015年度以来の優勝が少しずつ近づいてきた。

(取材・文 石川祐介)
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