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強靭フィジカルをさらに強靭に…常葉大DF速水修平は大学サッカー終戦、来季いわきFCでJ2の舞台へ

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常葉大DF速水修平(4年/いわきFC内定)

[12.18 インカレ3回戦 常葉大0-1関西学院大 相模原ギオンスタジアム]

 3回戦敗退となったが、その守備力は負けていなかった。常葉大DF速水修平(4年=磐田U-18)は来季からいわきFCに加入。「自分が成長できるきっかけになれれば」と加入の決め手を語った。

 一瞬の隙を突かれた。前半9分、関西学院大のFW山田剛綺(4年=京都橘高/東京V内定)にミドルシュートを決められる。山田の前に相対していたのは速水。「パワーのある選手ですし、警戒はしていた。2対1の場面だったので、僕がもう少し寄せられればという場面だった。あそこから振ってくるのはレベルが高い。まだまだ自分の甘さが出た」(速水)。山田自身も「いいところに行った」と自画自賛するファインゴールだった。それでも速水は悔しさをにじませた。

 それでも追加点は許さなかった。空中戦では高いジャンプで相手選手を吹き飛ばし、会場をどよめかせる。Jクラブ内定者を4人擁する関学大を相手に、集中力を切らさずに守備に走った。また、速水は要所で鋭い縦パスを配球。中盤を飛ばして最前線に速く届け、すばやいカウンターの起点となった。

 終盤に常葉大は攻勢を強め、速水も攻撃に参加する。相次ぐ好機はクロスバーに嫌われる場面などもあり結実せず。そのまま0-1で試合を終えた。速水は涙をこらえていち早く整列し、ベンチでも仲間とハイタッチ。スタンドの応援席に挨拶すると、その目には少しずつ涙があふれていた。

 持ち前の強靭なフィジカルを生かすべく、来季からいわきFCでプロの舞台に上がる。「いわきFCさんが一番初めに声をかけてくれた。自分に足りないもの、スピードだったり、アジリティだったり、徹底的にやっているチーム。自分が成長できるきっかけになれればなと思って決めさせていただきました」。

 昇格を決めたいわきFCの来季のカテゴリーはJ2リーグ。育成組織に所属していたジュビロ磐田を始め、清水エスパルスや藤枝MYFCなど、縁のある地元チームと戦うことになる。「自分は(磐田の)ユースから上がれなかった。いい意味で反骨心じゃないですけど、それを見せつけて勝てれば」と対戦を心待ちにしている。

 試合後には全日本大学選抜で親交を深めた関学大MF倍井謙(関西学院大3年/名古屋内定)や、大学サッカーで争ったFW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)らと交流を図った。「謙とは部屋も近くて仲良かった。勇大は2年前の#atarimaeni CUPで仲良くなっていて。がんばれよと。来年また会おうと話をしました」。いずれ対戦するライバルたちと再会を誓った。

 大学サッカーを終えた速水は、今年中にいわきFCの練習に参加するという。「26日から練習をやる。その中では一番体は動くと思う。それを生かして、スタメンを取ってやるぞというくらいの気持ちでやりたい。山田(剛綺)くんは来年J2でやる選手。きょうの借りを返すつもりで。もっともっと成長できるように」。悔しさを糧に、新たなカテゴリーで成長するつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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