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[MOM851]桐蔭横浜大FW白輪地敬大(3年)_「憧れの場所」元日国立に導く延長後半ATの劇的決勝弾!

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劇的決勝弾を決めたFW白輪地敬大(3年=桐蔭学園高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.25 インカレ準決勝 桐蔭横浜大2-1(延長) 関西学院大 カンセキ]

 スタジアムにいた多くの人がPK戦を覚悟していたはずだ。だが、桐蔭横浜大のFW白輪地敬大(3年=桐蔭学園高)は、「自分はPKを考えていなくて、延長戦で決めようということだけを考えていた」という。

 すると延長後半アディショナルタイム1分、MF山内日向汰(3年=川崎U-18)から出された浮き球で裏を取ったMF井出真太郎(3年=横浜FMユース)が左からクロスを入れると、ゴール前に入り込んだ白輪地がGKの手前で触る。ボールは転々とゴールに向かった。

「先に触ることだけを考えていた。あとは枠に飛ばしただけで、GKはほとんど見ないで足を伸ばしました。とにかく走り続けた結果で、いい形で井出がクロスを上げてくれたので、自分は押し込むだけでした」

 3年生がチームを救う形になった。前半アディショナルタイムに奪った先制点も、山内が個人技で奪い切ったもの。後半終了間際の同点被弾は、4年生MF高吉正真(4年=川崎U-18)のファウルで与えてしまっていた。

 この結果に安武亨監督は「未来のある選手たちが4年生を救ったという素晴らしいチーム状況になっている。いいゲームでした」と目を細める。白輪地も「今大会は3年生がチームを救う気持ちでやっている。13人がJリーグ入りを決めている4年生に頼りっぱなしじゃなくて、戦うことを証明できて良かった」と誇らしげだ。

 大舞台での勝負強さが武器になっている。今年、桐蔭横浜大は天皇杯を勝ち上がり、2回戦で北海道コンサドーレ札幌と対戦。しかしその試合はエースのFW山田新(4年=川崎U-18/川崎F内定)が教育実習のために不在となっていた。

 ただそこで代役として抜擢された白輪地が、2ゴールを決める大活躍。チームは延長戦の末に惜しくも敗れたが、白輪地の名前を知らしめるに十分のパフォーマンスをみせた。「めちゃくちゃ反響があって、自分の存在価値を示せたと思います」。未来へ繋がる、大きな試合になったことは間違いない。

 系列校の桐蔭学園高から進学。近年はあまりなかったルートだが、八城修総監督が高校の監督に就任したことで、その関係が深くなり、白輪地にはその第一人者になることも期待されている。

 高校時代にも届かなかった日本一まであと1勝に迫った。そして「憧れの場所」だと話す国立競技場のピッチに足を踏み入れることになる。「こんなチャンスは人生でそうそうないと思うので、楽しみながら、とにかく優勝したいと思います」。勝てばどちらも初優勝となる新潟医療福祉大との決勝は、元日14時にキックオフする。

(取材・文 児玉幸洋)
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