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日本一桐蔭横浜大、安武采配ズバリ!高校選手権ハットMFとインハイ優勝V弾MFを「勝負強さにかけた」途中投入

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途中出場で同点弾を決めたMF笠井佳祐(2年=関東一高)

[1.1 インカレ決勝 新潟医療福祉大 2-3 桐蔭横浜大 国立]

 安武亨監督の采配がズバリと当たった。1-2と1点を追う桐蔭横浜大は後半27分、MF井出真太郎(3年=横浜FMユース)に代えてMF笠井佳祐(2年=関東一高)を投入。すると同31分に笠井は左足で同点弾を決める。

 さらに後半44分にはMF水野颯太(4年=常葉大橘高/甲府内定)に代えてMF神田洸樹(3年=桐光学園高)をピッチに送り込む。そして同アディショナルタイム3分、カウンターから左サイド持ち上がった神田は中に切り込んでスルーパス。FW山田新(4年=川崎F U-18)の劇的決勝弾を演出した。

 主将DF中野就斗(4年=桐生一高/広島内定)も「シーズンを通して交代選手が決める。凄い監督に出会いました。ここで代えるんだと思うことはあるけど、そういう選手が結果を出す。試合を読む力が凄いのかなと思います」と感嘆した。

 交代選手はいずれも高校時代に全国で大舞台を踏んでいる選手だった。笠井は2年前の高校選手権の初戦でハットトリックを記録。神田も3年前のインターハイ決勝で、桐光学園を初優勝に導く劇的決勝弾を決めた選手だった。

 安武監督も大舞台での勝負強さに期待していたことを明かす。「先発の2人は縦に早い選手。スペースを埋められていたので、サイドより内側を崩せる選手を入れた。神田は勝負強さにもかけた。2人は素晴らしかったと思います」と称えた。

 笠井は「4年生にお世話になってばかりだったので、最後に優勝してプロに行ってほしいと思っていた」と充実の汗を拭う。「高校時代に全国大会を経験していますが、初めての日本一をかけた試合だった。結果を残せたので本当に良かったです」と笑みをこぼす。

 神田も「残り少ない時間帯でしたが、応えられました」と目じりを下げると、「(決勝点の場面は)ゾーンに入っていたというか、新くんまでのコースが見えていて、そこに丁寧に出せた。残り5分しか出られていなかったけど、言葉に出来ないほど嬉しかったです」と声を弾ませた。

 来季の目標はもちろん連続日本一だ。J内定13人で注目された今季の桐蔭大だが、来季もプロ注目のMF山内日向汰(3年=川崎F U-18)を筆頭に有力選手は残る。神田が「日本一を獲って注目されたと思うので、この経験をチームに還元したい」と話すと、笠井も「来年はまだ3年生ですけど、自分が引っ張るくらいの気持ちで、またこの舞台に戻ってこられるようにしたい」と意気込んだ。

(取材・文 児玉幸洋)
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