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「これがプロか…」ベストGK受賞の新潟医療福祉大2年生GK桃井は“感謝”、インカレ決勝で川崎F内定FWからスーパーゴール被弾

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新潟医療福祉大GK桃井玲(2年)

[1.1 インカレ決勝 新潟医療福祉大 2-3 桐蔭横浜大 国立]

 インカレでブレイクを果たした一人だ。新潟医療福祉大GK桃井玲(2年=桐光学園高)は今大会のベストGKに選出。「素直にうれしいです」と喜びを語った。

 もともと正GKはGK三文字瑠衣(4年=青森山田高)が務めていたが、負傷の間に桃井も成長。今大会は2年生GKが正守護神としてゴールを守った。3回戦ではPK戦で好セーブを見せて勝利に貢献。準決勝では総理大臣杯覇者の国士舘大を完封で抑えた。国士舘大守護神のGK飯田雅浩(4年/東京V内定)も試合後に称賛。着実に一試合ごとに成長を遂げていた。

 しかし、決勝は3失点を喫して敗れた。対するはJリーガー内定者13名を擁し、さらに勝負強く勢いにも乗る桐蔭横浜大。2度リードを奪うが、追いつかれてしまった。「2トップが強力すぎた。うちの最終ラインは互角にやり合えるくらいの守備の力を持っているけど、手こずっていた」(桃井)。そして2-2で迎えた後半アディショナルタイム、フル出場のFW山田新(4年=川崎F U-18/川崎F内定)に疲労を感じさせない豪快なミドルシュートを決められる。優勝決定ゴールは桃井に衝撃を与えた。

「これがプロのシュートかと思いました。90分を走り抜いた中であのシュートを蹴るとは。北信越リーグでは受けられない。ここに来なきゃわからない」。強豪・川崎Fに加入する全日本大学選抜のストライカーの力を思い知った。「勉強になったというのも悔しいですけど……それが経験。本当にいい経験になりました」。

 2年生にして全国の舞台でスタメンを張れたことは大きな手応えとなった。「この時期に出られることに自信を持って、これからチームの中心になれるように」。プロ内定者の洗礼を浴びた桃井自身も2年後のプロ内定を目指す。そのために山田のゴールは忘れない。

「僕もプロに行きたいというのはあります。あのシュートを止められないとプロの舞台には立てない。悔しいのは悔しい。だけど、あのシュート1本は僕の人生に大きく関わってくるようなシュートだった。感謝をしています」

 個人ではベストGKを受賞した。「素直にうれしいです。うれしいですけど、今大会を通して満足したパフォーマンスはあまり見せられなかった。これを自信にして来年度に生かして、もっと伸ばしていければ」。痛恨の優勝決定ゴール被弾は悔しい経験となった。だが、桃井はそれを今後の成長痛にしていくつもりだ。

(取材・文 石川祐介)
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