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久保建英「僕はW杯の時とはもう別人なので」自信も胸に“再出発”コロンビア戦へ

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日本代表MF久保建英(ソシエダ)

 3年3か月後の北中米ワールドカップに向けて、エース候補がようやくリスタートを迎えた。キリンチャレンジカップ・ウルグアイ戦から一夜明けた25日、日本代表MF久保建英(ソシエダ)が今合宿で初めてトレーニングに参加。「体調は全く問題ない」と元気にプレーし、28日のコロンビア戦(ヨドコウ)に向けて良好なコンディションをアピールした。

 久保にとっての第2次森保ジャパンは不運な船出となった。合流時の新型コロナウイルス検査で陰性確認が取れなかったため、滞在先ホテルで3日間の自主隔離生活を強いられ、24日のウルグアイ戦を欠場。隔離期間が明けた同日からようやく屋外で身体を動かすことができるようになり、チーム練習への参加は大きくずれ込んだ。

 25日、今回の合宿で初めて報道陣の取材に応じた久保は「大変でしたね」と苦笑いも浮かべた。それでも、すでに次のコロンビア戦に目線を向け、「体調は全く問題ない。陰性の確認が取れてこっちで動いていたので」と出場に意欲を示した。

 カウンター主体の戦法に自己犠牲の続いたグループリーグ、体調不良で無念の欠場となったクロアチア戦と、カタールW杯は不完全燃焼に終わった。それでもW杯明けの3か月間、所属先のソシエダでますます大きな存在感を発揮してきた。チームは負傷者が相次ぎ、7戦勝ちなしというスランプに陥ったものの、2月には3試合連続でMVPオブザマッチに選出さ。公式戦3ゴール2アシストの活躍で苦しむチームを懸命に支えてきた。

 久保にとって、そうした好パフォーマンスは必然といえるものだったという。

「もともとW杯に行く前からコンディションは良かったけど、単純にチームと代表でやっているポジションや役割が違ったというだけ。いったん代表の役割をやった後にチームに戻るとそれが浮き彫りになった。自分の役割が違うことで違う見え方をするし、それに結果がついてきたのでこういうことになっていると思う」

 得点シーンだけでなく、チャンスに関わる場面も目に見えて増加した。「前回の試合で簡単なところを外しているので、フィニッシュに関しては落ち着きが足りないと思う」と課題を指摘しつつも、「それでも今シーズンまあまあ点が取れているのはチャンスが来ているというのと、チャンスに入って行けているということ」と手応えを感じているようだ。

 そうした現状について、久保は「僕はW杯の時とはもう別人なので」と力強く表現した。

「日常のレベルが上がったことで、僕がそこに慣れた時、今までと違った見方が同じスペインリーグでもできていると思う。プレーに余裕ができたり、僕のプレーの基準、周りの人が求める基準が高くなっているので、そういうところで成長を感じる。今日も4日間くらい動いてなかったけど、すんなりチームに入っていけて、軽いと言ったら変だけどいいコンディションだった」。

 言葉の端々に自信が宿る。

 あとは代表の舞台でもその根拠を示すだけ。コロンビア戦に向けて「あとは試合でみんなにわかりやすいものを提供できたら」と意気込む。

「いまのコンディションだけで言ったらいまの代表でたぶんトップ3に入ると思う。今回はこうやって休んでしまったけど、しっかりそれを代表に持ち込めている。前回の試合後に何人かの選手のコメントを読んだけど、結果という形で出していくことがチームとして個人として足りないということを話していた。僕個人としてはそうした目に見える結果を求めていきたい」。

 スペインの地で評価を積み重ねてきたのと同じように、ゴールやアシストという数字で存在価値を示していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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