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先制アシストの本田、ドローに「サプライズなプレーが足りなかった」

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[6.12 W杯アジア最終予選 オーストラリア1-1日本 ブリスベン]

 後半ロスタイムのラストチャンスになるはずだった。後半49分、PA手前、右45度の絶好の位置で獲得したFKのチャンス。MF本田圭佑(CSKAモスクワ)が直接狙おうと助走に入ったところでタイムアップの笛が鳴った。本田は両手を広げ、不満そうなジェスチャーで抗議。後味の悪い幕切れだった。

 1-1の引き分け。「当然、10人になってからの方がよかったけど、もうちょっとというか、最後のところまで崩せてはいるけど、点を取るにはアイデアがなかった。サプライズみたいなプレーが足りなかったかなと思う」と振り返った。

 後半10分にDFミリガンが退場してからは日本が10人のオーストラリアを押し込む時間帯が増えた。守備を固める相手のブロックの周りでパスはつながるが、なかなかラストパスがかみ合わない。そんなこう着状態を打ち破ったのが背番号4だった。

 後半20分、右CKのチャンス。本田がショートコーナーでMF長谷部誠につなぐと、すかさずリターンパスを受ける。ゴールライン際を個人技で突破。DFをかわし、マイナスに折り返したボールをDF栗原勇蔵が右足で押し込み、先制点を奪った。

「ショートコーナーを相手が嫌がるのはビデオ分析でも知っていたし、監督にも言われていた。それが功を奏した」。そう明かすと、「高さでは向こうに分がある。どう人数をかけて相手を翻弄するかが狙いだった。得点シーンはそれができた」と胸を張った。

 3日のオマーン戦(3-0)、8日のヨルダン戦(6-0)に続く3戦連発、3連勝はならなかったが、貴重な先制アシスト。新4番を背負って臨んだ最終予選3連戦で4得点2アシストを記録し、チームの10得点中6点を演出した。

「ハッキリ言えるのは、オーストラリアより僕らの方がいいサッカーをしていたということ。結果は引き分けになったけど、オーストラリアの選手も(ピッチコンディションなど)いい環境でやったらどうなるか分かったと思う。それを感じ取っていなかったら、アホか、秘策があるか、どっちか」

 強気に言い切る本田だが、満足はしていない。「もっと得点に絡む部分を増やしたい。向こうがサプライズと思うようなプレーを、質も回数も増やしていく必要がある」。明日13日に26歳の誕生日を迎える本田。さらなる進化を見せる背番号4は、まだまだ発展途上の過程にいる。

(取材・文 西山紘平)

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