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日本vsラトビア 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 日本代表は5日、ホームズスタジアム神戸で公式練習を行い、6日のラトビア戦に向けて最終調整した。3日に所属チームでリーグ戦があったGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)、DF長友佑都(インテル)、MF細貝萌(レバークーゼン)、FW清武弘嗣(ニュルンベルク)、FW大津祐樹(VVV)の5選手も練習に合流。また、前日4日の練習は風邪のため欠席したDF内田篤人(シャルケ)も参加した。

以下、ザッケローニ監督の会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「今日の練習前に選手には言ったが、明日の試合をオープニングとして2013年が始まる。2013年はたくさんのイベントがあるし、試合数も多い。達成しなければならない目標もたくさんある。大きな目標の一つに、W杯予選を勝ち抜くことが挙げられる。大切な試合を1か月半後に控えている。ヨルダン戦までに2つのテストマッチができるので、この2試合を有効活用して、3月のヨルダン戦に向けていい準備をしたい。選手にも話したが、この2か月、クラブチームでやってきたことを一回リセットしてもらいたい。昨日着いたメンバーもいれば、今日着いたメンバーもいるが、短期間の中で代表チームのやり方、コンセプトを思い出してほしい。当然、短期間の中で、準備が万全にできない中ですべてをパーフェクトにできるとは思っていないが、限られた環境の中でできるだけいいプレーを出してほしいと思っている。大切なのはトライすること。そこにミスは起こったりするが、ミスを犯して積極的にトライしてほしい。テストマッチというのもあるが、これまでやってきた代表の戦い方を復習してほしいという思いがある。昨日の練習は、長時間の移動とリーグ戦での疲労もあったので、ほとんどリカバーに費やしたが、今日の練習の中でどの選手のコンディションがいいのかを見極めることができた」

―監督は新しい選手を招集したとき簡単には試合に使わないが、何か段階を踏もうという考えがあるのか?
「新しい選手が試合に出るためには、しっかりチームのやり方に馴染んで、コンセプトを共有してもらう必要がある。時にはその準備が整っていない選手をピッチに送り込むことで逆効果になることもある。そういう準備のできていない選手を出すことで、今後の可能性まで消してしまう怖さがある。明日もコンディションのいいメンバーを使っていきたい」

―9月のイラク戦以降、2列目の選手には香川や岡崎のケガがあって全員がそろうことはなかったが、明日はどういう基準でメンバーを決めるのか?
「明日の試合に関してはコンディションの良い選手、試合勘のある選手、つまり海外組を中心に使う」

―リスクを犯してほしいということだが、明日の試合でどんなプレーを期待しているのか?
「ここまで2年半、少しずつたくさんのことを積み重ねてきたし、集まるたびに少しずつ新しいことをインプットしてきた。明日はこの2年半積み上げてきたものをできるだけ多く出してほしい。今後につながるような戦いにしたいし、大切にこれまでやってきたことをトライしてもらいたい。テンポ、リズムというところよりも、各々の距離感、3ラインの距離感を適正にこなせるかどうか、スムーズにできているかを重点的に見たい」

―1年の最初の試合がその年に影響するものはあるか?
「クラブチームを率いていたときはリーグの初戦はすごく大切だと思っていたが、リーグの初戦に至るまでに紅白戦や練習試合を段階的に踏んでいっての初戦だった。とはいえ、結果は大切だと思うし、明日の試合もたくさんのサポーターが見守ってくれると思うので、その前でできるだけいい試合をしたいという思いもある。明日のゲームも満員のスタジアムになると思うので、たくさんのサポーターの前でできるだけいい戦いをしたい」

―乾に期待するところは? 彼のドリブルをどう生かす?
「乾は最近の代表の試合で招集しているが、彼の最大の武器はドリブルというよりも、裏に飛び出していくところだと思っている。動きながらボールを受ける技術、高い技術からシュートまでの一連の流れ、あとはミドルシュートの精度も高い。スピーディーな動きの中でいいプレーが出せる選手だと思う。スピードのある中での技術が高い」

―今、チームはどの段階にある?
「このチームのベースのコンセプトになっているのは、バランスと勇気を持ちながらサッカーをすることで、そこに関しては成長していると思う。選手にはクラブでやっていることをいったん片隅に置いて、代表チームのやり方を取り戻してほしいと言っている。例えば乾や岡崎のスタートポジションはクラブとそれほど変わらないが、代表チームでの彼らの役割はより攻撃的だし、クラブでの彼らのタスクを考えると、攻守両方に貢献してほしいと思っている。最後にこのチームを見たのは2か月前なので現時点で正確なことは言えない。この2日間で個人のプレーを見ることはできたが、チームのパフォーマンスはまだ見えていない。ただ、理想からいいところまで来ているという実感は持っている。さらにスピードアップ、テンポアップ、そしてプレーの精度を上げていかないといけないが、想定していたポイントまでは来ている。これは戦術面でも技術面でもそうだし、グループという意味でも同じことが言える」

―CB以外は海外組になるのか。1トップは本田?
「海外組を重点的に使いたい。当然、チームのバランスとコンディションを考えてフォーメーションをつくるが、できることなら本田はトップ下のポジションで使いたいし、彼が最も生きる場所はそこだと思う。本田自身にとっても、チームにとっても、彼がトップ下で出たときに各々にメリットがあると思う」

(取材・文 西山紘平)

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