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3-4-3は通算253分で1得点…重苦しい口調の香川

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[5.30 キリンチャレンジ杯 日本0-2ブルガリア 豊田ス]

 後半途中からシステムを変更した11年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)以来、約1年半ぶりに“伝家の宝刀”を抜いたアルベルト・ザッケローニ監督。だが、指揮官の思惑はまたしても結果に結びつかなかった。

 3-4-3でのプレータイムはブルガリア戦の前半45分間を足して、通算5試合で253分となったが、この日も得点を挙げることはできなかった。通算ゴール数はわずか1(11年10月7日のベトナム戦=1-0勝利)だ。

 無得点がここまで続くのは問題だが、チャンスそのものが少ないこと自体が問題で、この日の前半のシュート数はわずか3本だった。

 FW香川真司(マンチェスター・U)は「無得点は残念。紙一重のところもあったし、そこで決めていれば変わっていたと思うけど、負けたのは悔しい。これまでの3-4-3と比べれば、うまくいったと感じる部分もあったけど、ゴール前の精度だったり、あと1本つながらないところもあった」と重苦しい口調で振り返った。

 右FWで先発した乾貴士(フランクフルト)も「なかなかうまくいかなかった」と唇を噛んだ。

「勇気を持ってみんなでチャレンジしようと話していたのだが……。距離感もちょっと難しかったし、守備も難しいやり方だった」。乾の場合は3-4-3でプレーすること自体が初だったという割引材料もあるが、「4-2-3-1になってからも、あんまりボールに触れなかった。キヨ(清武)と(香川)真司くんはよかったと思うけど、自分も中に入っていかないといけない」と悔しがる。

 何がうまくいかない原因か。MF長谷部誠は「守備は悪くなかったけど、攻撃は前に一人人数が足りなかった。3-4-3は片方のボランチがPAに入っていくぐらいでないと、人数が足りない」と課題を挙げる。

 それでもFW清武弘嗣(ニュルンベルク)を入れて香川がトップ下に入る4-2-3-1にした後半の立ち上がりはチャンスを多くつくり、攻撃のポテンシャルを示したが、そこで決め切れなかったのが痛かった。

 香川は「あの時間帯にゴールを決めないと厳しい。あそこで僕らが決め切れなかったから、セットプレーで失点した」と自らを責めもした。

 ザックジャパン初の連敗を喫し、厳しい表情を並べる攻撃陣。この悪い流れをどうやって払拭していくか。

(取材・文 矢内由美子)

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