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日本vsイラク 試合前日の日本代表 公式会見要旨

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 W杯アジア最終予選・イラン戦を翌日に控えた10日午前、日本代表はドーハ市内で公式会見を行った。会見にはアルベルト・ザッケローニ監督とMF長谷部誠の出場停止に伴い、ゲームキャプテンを務めるMF遠藤保仁が出席している。

 以下、公式会見要旨
アルベルト・ザッケローニ監督
「すでに我々は予選突破を決めていますが、これがW杯予選最後の試合になります。このグループは、我々が1位で突破することは決まりましたが、2位以下はかなり混戦になっている。2位、もしくはプレーオフに進出するチームは決まっていません。そういった意味では、我々はこの戦いをしっかり戦わないといけませんし、同時にこの後にあるコンフェデレーションズ杯の準備を進めながら戦っていきたいと思います。明日の対戦相手のイラクには、ホームでも一度対戦していますが、非常にまとまっていて、チーム力が高いチームです。このグループの戦いでは、我々日本が圧倒的な強さを見せて突破を見せましたが、ヨルダンで足元をすくわれました。自分たちの持っているすべてを出さないとああいうことが起きるのも事実。また、当然、明日の試合の時間帯は暑くなることが予想される。先のオマーン戦でも経験しているが、それも不利に動くと思うので良い準備をしていきたい」

―本田の状態について?
「本田のコンディションですが、(ケガで)そんなに多くの試合に出ていない状況が続いていたので、コンディションのところで調整をしないといけません。限られた出場時間で、どれだけクオリティのある使い方をするかだと思います」

―本田が出ないときの戦い方は、ブルガリア戦(0-2)でも課題が出たが?
「よく指摘されますが、私は本田が不在でも良くない戦い方をしていると思っていません。3次予選でも、最終予選でも、本田不在で戦った試合は多かったと思いますし、それに加えてフランスで行われたフランス戦でも、本田抜きでも非常に良い戦いをしていました。とはいえ、このチームにとって本田は非常に大切な選手です。彼もコンディション向上のためにはトレーニングを積んでいます。しかし、このチームにはほかにも良いメンバーがいますし、そこに入って活躍できる選手はそろっています」

―昨年のアイスランド戦でも遠藤がキャプテンだったと思うが、期待することは?
「遠藤がここにいるのは、私にもっとも年齢が近いからです(笑)」

―明日の試合で出られない選手は?
「長谷部は累積警告のため出場停止で出られません。あとは数人のコンディションを見ながら、明日のメンバーを決めていこうと思います」

―コンディションを上げる必要のある選手は起用すると話していたが、香川は?
「香川のコンディションは上がってきていると思います。この代表に合流してから、多く使っているのは、所属クラブでそんなに試合に多く出ていない状態だったから積極的に使っています。トップ下のポジションに関しては、香川もできますし、中村憲剛もできると思っています」

―ブラジルに行く前に、かなり暑いカタールで試合があるのは影響があるのでは?
「まずは、ここ数日のトレーニングですが、負荷は落とさなければいけませんでした。その理由には、この暑さが当然ありました。その中で、やはり選手のコンディションを上げる努力、その仕事というのは、日本にいる段階からやってきていました。ただ、ドーハからブラジルに行くわけですが、その気温差はそんなに心配していません。これが逆で、寒いところから暑いところに行くのであれば不安でしたが、そうではないので、その点は心配していません。そういった移動、気候という点で一つ不安を挙げるとすれば、試合までの日数が短い中での長距離の移動は当然、挙げられると思います」

―明日の試合は日本にとって消化試合なのか? ベストで臨むのか?
「まず、日本は突破を決めていますが、グループの他のチームにはどこにもチャンスがあります。ですから、日本は真剣に、真面目に戦わなければいけないと思っています。当然、そういったベースのコンセプトを保ちながら、自分たちの今後に向けてコンディションづくりはしていかないと思います」

―就任から4年目を迎えるが、チームづくりはどれくらい進んだか?
「W杯予選、コンフェデレーションズカップまでを一つの区切りとして、ここからあと1年で、いよいよ最終章に入ると思います。ここから1年は、選手のコンディションなどを見極めながらやっていかないといけないでしょう。コンフェデレーションズ杯までは、これまで主力を演じてきたメンバーで構成する。コンフェデが終わったら最終章に入るので、そこからまた全員がスタート地点に戻り、新しい競争が始まるということになるでしょう。当然、Jリーグでも良い若手が育ってきていますし、良い競争があるのではないかと思います」

―イラク戦のゴールについて、練習通りの形と選手が話していた。ただ、その後はなかなか、そういう話が出てこない。練習の成果が出ていると感じているか?
「我々は試合をする上で、そういった準備を進めています。それが効くときもあれば、効かないときもある。ただ、選手が毎回、試合後に『これはトレーニングでやった形です』ということを言わないことは、いいことだと思います。そうじゃないと、練習を非公開にする意味もないですからね。当然、この時代ですから、対戦相手はいくらでも分析できるツールを持っていますから、その中でも新しいものを出していかなければいけません。相手に読まれないモノを準備しないといけないとは、常に思っています」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「おはようございます。自分たちはW杯出場を決めていますが、明日の試合を消化試合とは思っていないですし、高いモチベーションをもって、イラク戦に勝って、最終予選を終えたいと思います」

―キャプテンマークを巻いて戦う試合への意気込みは?
「(監督が『もっとも私に年齢が近いからここにいる』と言ったのを受け)僕もそう思います(笑)。キャプテンマークを巻くから偉いわけではなくて、試合に出ている、出ていないに関係なく、全員がキャプテンだと思って、そういう意識でやればいいと思います」

―現在の日本代表ではボランチは重要だと思うが、役割をどう考えている?
「すべてを高いレベルでやらないといけないと思っていますし、攻撃に関しても、守備に関しても、非常に重要な役割のあるポジションだと思っています。毎試合ですが、常に高いパフォーマンスを見せたいと思います」

(取材・文 河合拓)

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