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「普段の鬱憤を晴らしてほしい」 リオ五輪世代が始動

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 2016年のリオデジャネイロ五輪を目指すU-20日本代表が30日、都内で始動した。同代表は中国・天津で10月6日に開幕する第6回東アジア競技大会に出場。リオ五輪世代の初陣となる同大会では北朝鮮、韓国、香港、中国と総当たりのリーグ戦を行う。

 初日の練習にはMF野津田岳人(広島)、MF矢島慎也(浦和)、GKポープ・ウィリアム(東京V)を除く20選手が参加。野津田、矢島は週末に行われた練習試合で負傷したため、クラブでの診断を待って、参加の可否が決まる。ポープ・ウィリアムはチーム事情により、こちらも合流のタイミングは現時点で未定という。

 日本サッカー協会技術委員で今回のチームを指揮する霜田正浩監督は練習前に選手を集め、「目の前の大会である東アジア競技大会に向け、一つになってがんばろう」と呼びかけ、「ここでは全員がレギュラー。普段、Jリーグで出られていない鬱憤を晴らしてほしい」とゲキを飛ばした。

 今回のメンバーは同世代の主力となるFW久保裕也(ヤングボーイズ)、DF遠藤航(湘南)、DF岩波拓也(神戸)、DF川口尚紀(新潟)、GK櫛引政敏(清水)らが招集を見送られ、MF大島僚太(川崎F)はケガのため、DF山中亮輔(柏)はチーム事情のため不参加となった。U-20世代の多くは所属チームでなかなか出場機会に恵まれていないのが現状で、「この世代の選手がJリーグでレギュラーになるまでの時間を短くすることがリオ五輪への一番の強化になる」と霜田監督は力説する。

「この年代はなかなか試合に出れず、強化が難しい。(来季からスタートする)J3にユース年代の選抜チームを参加させるなど協会としてもいろいろ考えているが、この年代にどれだけ試合経験を積ませられるか。その延長線上に今回の大会もある」

 東アジア競技大会のレギュレーションで出場資格があるのはU-23世代。ライバル国がどんなメンバー構成で来るかは不明だが、上の世代と対戦する可能性もある。「アジアのライバルとは今後も対戦する。いい経験になるのは間違いない」。出場機会に飢えた若い世代が、アジアの舞台でどんな戦いを見せるか。霜田監督は「今回のメンバーも、将来性があるから、ここにいる。クラブではたまたま出番がないけど、この世代を鍛えることが日本サッカーの強化につながる」と、貴重な強化の場と位置付けていた。

(取材・文 西山紘平)

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