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熾烈なCB争いにも吉田「競争はウェルカム」

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 ボランチとともに、いまだW杯本大会のレギュラーが読みづらいのがセンターバック(CB)だ。これまでDF今野泰幸とDF吉田麻也が不動のコンビを担ってきたが、昨年11月のベルギー戦からはDF森重真人が4試合連続でフル出場を続けている。

 2日のコスタリカ戦(3-1)では吉田と森重がCBを組み、今野は左SBに入った。DF酒井高徳が故障を抱える中、DF長友佑都不在時のオプションをテストした格好だったが、「満足できるものではなかったし、アピールになったとは思っていない」と、今野自身の自己評価も厳しい。

「一番悔やまれるのは失点シーン。そこがなければまだましだったけど……」。日本の右サイドを抜け出され、鋭いクロスボールに逆サイドから走り込んだFWブライアン・ルイスが合わせた。ルイスの動きに付き切れなかった今野は「あの場面も注意深くしていれば、もっといいポジショニングが取れたと思うし、対応もできたと思う。だから悔やまれる。何もできずに決められた」と唇をかむ。

 吉田もコスタリカ戦の失点シーンについて「もっと帰陣を早くしないといけない。これから当たる相手はワンチャンスをものにしてくる相手ばかり。切り替えの早さと、自陣でのミスを減らすことが大事」と課題を見つける。

 だれが試合に出るか、ということの前に、チームとして改善すべき点は改善していく必要がある。吉田は「(川島)永嗣さんとは多少話しているけど、モリゲ(森重)やボランチとはまだ話していない。これから細かなすり合わせをしていかないといけない。本番では想定していないことが起こる。そういう意味では、後ろの選手がいかにゲームをコントロールできるかが大事になる」と、守備の意思統一を深めていくつもりだ。

 選手個人がコンディションを上げ、チームとしての連係を高め、同時にチーム内の競争にも勝っていかなければならない。「コンディションとプレー面でのアピール。それがすべて上回った選手が試合に出る。そういう気持ちで毎日を過ごしている」と話す今野は「森重も安定しているし、(吉田)麻也もいいプレーをしている。本音を言えば、競争は難しくなってきている」と率直な思いを口にする。

 だれが出るか分からないこそ、だれが出ても遜色ないプレーを見せることができるはず。最後は監督のチョイス次第。今野は「自分は今までどおり自分のプレーをするだけ」と自然体を貫き、吉田も「競争があることは、最後まで緊張感を持ってやれるので僕はウェルカム」と、熾烈なポジション争いを歓迎していた。

(取材・文 西山紘平)

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