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[練習試合]U-19日本代表は“チームメート”宮市に先制ゴール許すなど湘南に敗戦

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[6.12 練習試合 U-19日本代表 0-2 湘南 馬入]

 U-20W杯を目指すU-19日本代表は12日、湘南ベルマーレと練習試合(45分×2本)を行い、0-2で敗れた。

 UAE遠征を2戦2勝で終えて帰国後の2連戦。前日11日に行われた横浜FCと0-0で引き分けたU-19代表は湘南からチャンスもつくったが、決めきることができず、メンバー7人を入れ替えた後半の2失点により、敗れた。

 U-19代表の先発はGK中村航輔、4バックは右から高校生DF水谷拓磨内山裕貴中谷進之介内田裕斗。中盤は川辺駿大山啓輔のダブルボランチで右が関根貴大、左は金子翔太、トップ下がW杯日本代表予備登録メンバーでもある南野拓実、1トップには越智大和が入った。

 先に決定機を掴んだのは湘南だった。前半3分、U-19代表合宿からチームへ戻り、この日湘南の一員として出場していたFW宮市剛が枠へシュートを飛ばしたが、U-19代表GK中村がセーブ。湘南は6分にもPAでボールを受けたMF中川寛斗が決定的なシュートを放つが、これも中村が阻み、こぼれ球に反応したMF荒堀謙次のシュートは枠を外れた。序盤から主導権を握って攻める湘南が、サイドを2度、3度と個で打開するなどU-19代表を押し込んだ。

 ただ南野が「(UAE遠征では)自分たちのいいところを出せた時間帯が長かった」というU-19代表も反撃。13分、川辺のループパスで左サイドを突いた越智が左足を振りぬく。これはGK正面を突き、25分には川辺のスルーパスから関根が右クロスを上げ、南野が左足ダイレクトで合わせたが、これはヒットしなかった。

 それでも前線からのプレスでボールを奪い取るなど攻守両面で光る南野や川辺を軸にボールを動かしたU-19代表は、左SB内田が積極的に攻撃に絡むなど自分たちの時間帯もつくり出していた。39分にはターンでDFを外した南野がDFの頭上を狙ったラストパス。アイディアも交えて攻めたU-19代表だったが、ボールは動いているものの、フィニッシュまで持ち込む前に個や連係でのミスが起こるなど決して内容は良くなかった。特にサイドやDFの背後のスペースを狙う動きとパスが合わず首を傾げるようなシーンの連続。DFリーダーとして安定感をもたらしていた内山や先発起用に応えて気合溢れるプレーを見せていた中谷らが奮闘して相手に得点を与えなかったが、無得点で1本目を終えた。

 2本目は水谷、内山、大山、金子を除いてすべて交代。GK田口潤人、CBに茂木力也、左SB山口真司、ボランチの一角にMF望月嶺臣、右MF小川直毅、トップ下が田村亮介、1トップも越智大和にチェンジした。先手を取ったのは湘南だった。6分、前線でボールを受けた宮市がターンから右足を振りぬくと、ボールはゴール左隅へ吸い込まれた。宮市は「(昨日までU-19代表の選手たちと)一緒にいたのでやり辛かった」と振り返ったが、それでもこの日出場したU-19代表の選手たち同様にアピールを目指した宮市のゴールによって湘南がリードを奪った。

 メンバーが入れ替わり、なかなか攻撃がかみ合わないU-19代表に対し、湘南は12分にも左サイドを抜け出した宮市が切り返しから決定的な右足シュート。U-19代表は14分に望月のパスから右サイドを駆け上がった小川がゴールラインすれすれからクロスを上げたが、これはゴール前で湘南DFがCKへ逃げた。直後には右ショートコーナーから大山が上げたクロスを金子が頭で合わせたものの、DFに当たったボールはゴール左外へ外れてしまう。

 敵陣PAまで攻め込む回数は少なかったものの、望月の右足ミドルやDFを外してシュートまで持ち込んでいた金子がシュートシーンをつくり出していた。だが1点が奪えないU-19代表に対して湘南は34分、PAへ飛び込んできたユースチーム所属の18歳MF前田尚輝が大山にファウルで倒されてPKを獲得。これを前田が自ら右足で決めて2-0とした。終盤、PAでの付近で仕掛ける回数を増やしたU-19代表は40分に望月のスルーパスから金子が左足を振りぬき、42分にはコンビネーションで抜け出した金子が左足シュートを放つが、これもゴール右横へ外れてしまうなど無得点で敗れた。

 UAE遠征からそのまま国内合宿に入ってきたためU-19代表に疲れがあったことは間違いない。ただJクラブのスピードのある攻守によってミスが出た事を選手たちは反省していた。南野は「(Jクラブとの対戦で)プレッシャーが速くなった中でできる時間が短くなって、ミスが出てしまった。今後修正できればいい」。また鈴木政一監督は「展開から突破まではOKになってきている。フィニッシュのところでGKの状況を見据えながら、あるいは体重まで見てコースを狙っていくくらいのテクニック、考え方をもってプレーができるようにしていかなければいけないかなと思っている」とフィニッシュ精度の向上に期待した。

 4大会ぶりのU-20W杯出場を懸けたAFC U-19選手権(10月)の1次ラウンドではベトナム、中国、韓国と対戦する。鈴木監督は「(8月の)SBSは結果というものも視野に入れて準備したい」と“本番”へ向けて結果にもこだわっていくことを口にした。

[写真]南野中心に攻めたU-19代表だったが、無得点で敗戦

(取材・文 吉田太郎)

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