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岡崎が示す“日本サッカーが世界に認められるための条件”

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 奥寺康彦や三浦知良が切り拓き、中田英寿や中村俊輔が地固めをしてきた欧州リーグ挑戦の道。今日では多くの日本選手が欧州主要リーグでプレーしており、ブラジルW杯に臨むザックジャパンの過半数に当たる12人が欧州組だ。

 今、日本サッカーは世界の中でどういう立ち位置にいるのだろう。5大会連続5度目のW杯の初戦となるコートジボワール戦を翌日に控え、FW岡崎慎司(マインツ)はこう言った。

「この4年間で、各リーグで目立つ選手、結果を出す選手が出てきた。自分が欧州に行ったとき(2011年1月)はすでにドイツではそれなりに認められていた。そう思うと、海外から見て、日本人選手の良いところは分かってもらえていたと思う」

 香川真司はドルトムントでブンデスリーガ優勝を果たし、現在はイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・Uでプレーしている。シャルケの内田篤人は欧州CLでの出場試合数を日本人歴代最多の22まで伸ばしている。

 長友佑都はセリエAの名門インテルで中心選手として活躍し、本田圭佑はミランで背番号10を付けている。そして岡崎自身は今季ブンデスリーガで日本人歴代最多の15得点を挙げ、得点王ランキング7位タイ。岡崎が言うように、日本人選手という個の部分では存在感を示している。

 だが、日本代表というチームで見た場合はどうか。岡崎の目には、「国として戦ったときは(選手個人としての評価と比べると)、そこまで認められていない」と映っている。香川も「日本のサッカーというものはまったく知られていない」と躊躇せずに答えた。長谷部誠や内田、酒井宏樹も、クラブのチームメイトから「日本は下に見られる」と話していた。

 いつか見返したいとの思いは、海外で苦労を重ねてきた選手たちの共通の気持ちだろう。岡崎は「日本のサッカーを認めてもらうにはこの大会で勝たないといけない。W杯で勝たないと、世界から見て日本代表が強いかどうかわからない」と力を込める。

 6日のザンビア戦で負傷して5針縫った左まぶたは徐々に癒え、12日からは包帯を取って練習している。傷はまだ痛々しいが、岡崎自身はヘディングも積極的にすると意気込んでいる。

「日本サッカーを分かってもらうには、4年間積み重ねたことをやって、W杯で結果を出すことが大事。ただ、最後のところでチームの底力が見えないと勝てない。最後のところの気持ちは、自分が率先して出していきたい」

 絶好調の岡崎がW杯で突き抜ける。

(取材・文 矢内由美子)

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