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[AFC U-16選手権]U-17W杯出場権懸けた「98JAPAN」の戦い、6日・香港戦からスタート

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 U-17W杯チリ2015の出場権を懸けたAFC U-16選手権タイ2014が9月6日に開幕する。5大会連続のU-17W杯出場を狙うU-16日本代表はグループリーグで香港、中国、そしてオーストラリアと対戦。2位以内でグループリーグを突破し、そして準々決勝で勝利すれば、U-17W杯への出場権を獲得することができる。日本は世界切符を手にする4強入り、そして06年大会以来となる優勝へ向けて、まず6日の初戦で香港と対戦する。

 通称「98JAPAN」U-16日本代表は1998年生まれ以降の世代によって構成。「世界で舞う」ことを目指して一歩一歩成長を遂げてきた選手たちが、アジアの戦いに挑む。日本はFW柿谷曜一朗(現バーゼル)やMF水沼宏太(現鳥栖)、FW斎藤学(現横浜FM)らを擁した06年大会で優勝。その後FW宇佐美貴史(現G大阪)やMF柴崎岳(現鹿島)が主力だった08年、FW南野拓実(現C大阪)が得点王に輝いた10年大会も4強入りし、前回12年大会は大会MVPに選出されたMF杉本太郎(現鹿島)やFW北川航也(清水ユース)の活躍などあって準優勝した。すでにベガルタ仙台の一員としてJ1でベンチ入りを果たしているMF佐々木匠(仙台ユース)やDF阿部雅志(星稜高)、FW斧澤隼輝(C大阪U-18)、MF菅大輝(札幌U-18)らを擁する今回、98年生まれ以降全ての日本人プレーヤーの代表選手「98JAPAN」がいかに相手を見て、相手の弱点を共有し、急所を突いていくか。年々上がってきている技術や判断力というベースを支えに、アジアのライバルたちを仕留めていく。

 初戦で対戦する香港は1次予選グループGでオーストラリアに次いで2位通過。オーストラリアにこそ前半に失った2点を挽回することができずに0-2で敗れているが、シンガポールを4-1、マカオを5-0、そして台湾には先制されながらも3-1で逆転勝ちして今大会の出場権を獲得している。日本にとっては大事な初戦。この試合をいい形で終えて波に乗ることができるか。U-16日本代表の吉武博文監督は「相手によってどうこうというのはなくて、1試合1試合自分たちのベストを尽くしていって、1試合目よりも2試合目、2試合目よりも3試合目の方がパフォーマンスが上がっていくというように。その都度90分が終わったらピッチで倒れ込むくらいピッチの中で120パーセント出してほしい」と期待する。今大会の準々決勝までを想定した4試合を戦った7月のタイ遠征ではU-18ムアントン・ユナイテッドとの初戦で3点を先取して勝利。まずは失点するリスクを消しながら、相手陣内で攻める時間を増やして勝利することを狙う。

 吉武監督は「香港は監督さんが一次予選と違うので、やり方が変わってくると思う。(恐らく)ブロックを形成して堅く守りながらカウンターを仕掛けてくる。でも前にボールが入ったら、前で奪ってという形になると思います」と分析。指揮官は「最初の2試合で、今までやったことに確信をもつこと。リーグ戦の3戦目は次のステージへ行けるか行けないかの順位が決まるとても重要な試合。そして4試合目は(世界)切符がかかってくる。3試合目、4試合目で自信を持って戦うために、1、2試合目が重要になってくる」というだけに大会の入りとなる香港戦は非常に重要だ。

 U-16日本代表は8月18日から23日まで、標高1300mの長野・菅平高原で強化合宿を行い、心肺機能の強化とチームの結束向上を図った。守備面について吉武監督は一定の評価を与えたが、紅白戦ではMF田中碧(川崎F U-18)やMF藤本寛也(東京Vジュニアユース)ら中心にボールを動かして相手のDFを広げながらも距離間のいい攻撃ができないなど課題を残した。チームはその後8月26日深夜に決戦の地、タイに入り、直前キャンプをスタート。8月29日のアサンプション大学シラチャー校との練習試合は佐々木とDF石川啓人(鳥栖U-18)がそれぞれ2ゴールを決めるなど7-1、同31日のシラチャ・バンブーンFC戦はFW安井拓也(神戸U-18)の先制ゴールとFW半谷陽介(F東京U-18)の2ゴールによって3-1で勝ったが、吉武監督は反応スピードと予測のスピードなど課題について指摘している。課題を改善し、最善の準備を行って、まず重要な1戦目の勝利でアジア突破へ向けての弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)
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